2014年6月27日金曜日

micro iDSD開発(21)スーパー・デューパー仕様2.0

この記事は、micro iDSDの発売を控えたiFIのテクニカル・チームがHead-FIやFaceBookに掲載しているものです。

以下は6月22日の投稿------------

http://www.head-fi.org/t/711217/idsd-micro-crowd-design-otw-1-audio-has-a-new-order-did-you-guess-correctly-page-71/960#post_10653697


すでにnano iCANやmicro iCANを使ったことのある人には、これからmicro iDSDにも搭載されることになっているXBassの仕様は、おなじみのものでしょう。

しかし、そうでない人のためにこれを用意しました。興味深いと思いますよ。

XBass
(ヘッドフォンは、すべてが同じように作られているわけではないのです)

背景
「ラジオを聴いていると、私は場違いなところにいると感じる。
高音だけでは解消できない何かが、確かに失われているのだ。
私の顔を見れば、私の弱点を言い当てることができるよ。
私はすっかり低音に取り憑かれているのさ。」

The Puretones – “Totally Addicted to Bass”
ピュアトーンズ(イギリスのロックグループ)の「低音に夢中」 


「完璧な低音レスポンスを生み出すヘッドフォンはひとつとしてありません。」

説明
録音が異なれば、そしてヘッドフォンが異なれば、低音が不足していると感じることがよくあります。

低音があるべきか、ないべきか – それが問題だ、なんてことはここではありません
偉大な音楽を聴くのは、常にポジティヴな経験となります。最高に質素なシステムから最高に高額なシステムに至るまで、どのシステムも大きな楽しみをもたらしてくれます。しかしながら、ピュアトーンズの歌のように、もしも低音が適正でなかったら、「高音だけでは解消できない何かが、確かに失われている」のです。

ヘッドフォンによって、低音のパフォーマンスは大きく異なります。驚異的な低音を聴かせるヘッドフォンもあれば、完璧で公平な低音を聴かせるヘッドフォンもありますが、多くは低音が弱かったり、深刻なほど不足していたりします。これと製造コストには、直接的な関連はありません。むしろあまり高価でないヘッドフォンでも鋭い低音を持っているものもありますし、もっと高価でも低音が欠けているものもあるからです。もちろん、低音のパフォーマンスはヘッドフォンの音質の一要素にすぎないことは、言うまでもありません。

異なるヘッドフォンの代表的な周波数レスポンスです。


左端のものは“理想的なカーブ”を描いています。“ヘッドフォンはこうあるべき”という数値です。しかし、現実のヘッドフォンはこうはいきません。残りの3つは、“実際に売られている”ヘッドフォンの例で、低音のレスポンスが異なっていることを示しています。

左から2番目から見ていくと、現行製品のExample 1は非常に良好な低音です。
こういったヘッドフォンはきわめてまれです。

Example 2は低音に多少の減衰があります。これは、かなり高価なヘッドフォンでもよく見られる傾向です。このカーブはUS$1500のヘッドフォンのものです。このヘッドフォンはあらゆる点で優秀で、これまでに作られた中でも最高のものなのですが、それでも低音が若干欠けています。悪いとは言わないものの、常にもう少し低音がほしくなってしまいます。

Example 3は多くの小型ヘッドフォンの典型です。低音がはっきりとわかるほど欠落しています。最低域は、少しというレベルではなく、かなりの部分が“行方不明”状態です。こういったヘッドフォンははっきりと低域が欠落して聞こえます。うすっぺらで、ひ弱で、満足を与えてくれません。どうしてもある程度の修正が必要です。

示されていないもうひとつの可能性は、ヘッドフォンの中には非常にヘビーな、強調された低音を持っているものがあるということです。DJ用のヘッドフォンやある種のインイヤーモニターのタイプがこれにあたります。音楽や趣味によって、これは良いこととも良くないこととも感じられます。こういったヘッドフォンを聴く際は、ヘッドフォンアンプが非常に良好なダンピングファクターを持っていることが重要です。余分な低音が、ブーミーになることなく、うまく制御されるからです。実際のヘッドフォンがどんな感じなのかを示すために、HeadRoomによって計測された4つの異なるヘッドフォンの比較表をお見せしましょう。



iFiでは、多くのヘッドフォンが持つこの共通の低域の問題に気づいていました。奇妙なことに、最高の低音を持ったヘッドフォンが、最高にクリアな中域や最高のイメージングを持っていることはめったにありません。こういうわけで、ヘッドフォンを購入する時には、妥協を強いられることが多いのです。

i) ほぼすべてを備えているヘッドフォンを買って、低音は少しばかりあきらめるということもできるでしょう。プレーヤーのソフトウェアによって、イコライザーの機能を調節して、低音の欠落を補うこともできるでしょう。しかし、これではDSPを使用することになり、それでは音楽信号はもはやビットパーフェクトではなくなってしまいます。

ii) そしてもちろん、iPodやノートパソコンでは、限界が明白になります。出力パワーに限界があるので、イコライザーをかけた低音に必要な余分なパワーが供給できず、音が歪んでしまうのです。そうすると、ボリュームを絞らなければならなくなるのですが、その代わり失われた低音を少し取り戻すことができます。それでも、そんなに自然には聞こえないことが多いのも事実です。これらのイコライザーで、ヘッドフォンの欠陥を補うように適正に作られているものは、ほとんどないからです。

Enter XBass...
XBassの出番です…

リスナーにどのような恩恵があるか
もしも所有しているヘッドフォンに、深い、クリアな、堅固な低音が欠けていて不満を感じているなら、何か“エキストラ”なものが必要です。それが“エキストラバス”です。XBassは、“消失していた低音”を取り戻し、リスナーは望み通りのレベルを選ぶことができます。他のiFi製品と同様に、これはアナログ領域で実行されますから、音楽信号はオリジナルのままです

さらに、XBassはmicor iDSDのヘッドアンプに組み込まれていますので、歪みを生じさせることなく、低音を取り戻すのに十分なパワーを持っています。“エキストラバス”はタイトで、歯切れが良く、精確です。


XBassはmicro iDSDに組み込まれています(nano iCANとmicro iCANにも同様に組み込まれています)。スイッチをONにするだけです。特定のヘッドフォンや特定のトラックには合わないと思ったら、スイッチを切るだけです。

あなたのヘッドフォン&イヤフォンに最高の低音を実現したければ、XBassを検討してみてください。

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