2019年10月18日金曜日

iFi ZEN DAC発売


iFi audioブランドのZENシリーズ第二弾新製品の発売を10月28日から実施いたします。

2万円を切る価格でありながら、「iFiらしさ」をすべて詰め込んだ、小型据え置きDAC(兼USBプリアンプ&ヘッドフォンアンプ)の登場です。

先日お知らせしたワイヤレス受信専用のZEN Blue(18日発売)とは外装が同じでありながら、中身のコンセプトが異なる製品です。ワイヤレス受信こそないものの、USB有線接続ならではのハイパーなスペックにしっかり対応します。



仕様


  • ブランド:iFi audio
  • 製品名:ZEN DAC
  • 発売日:2019年10月28日
  • 価格:18,000円(税別)/19,800円(税込)
  • バーコード:5081313082483
  • 入力:USB3.0 Bソケット(USB2.0互換)
  • フォーマット: 44.1/48/88.2/96/176.4/192kHz PCM 2.8/3.1/5.6/6.2/11.2/12.4MHz DSD 352.8/384KHz DXD
  • DAC:Bit-Perfect DSD & DXD DAC by Burr Brown
  • 出力: Audio RCA(アンバランス) 2.1V 固定 1V / 最大3.3V(可変) 4.4mm Pentaconn(バランス) 4.2V 固定 2V / 最大6.2V(可変)
  • 出力インピーダンス: <=100Ω(アンバランス)<=200Ω(バランス)
  • SNR: <-116dB( A)(アンバランス/バランス)
  • DNR:>-116dB(A) @ -60dBFS(アンバランス/バランス)
  • THD+N: <0.0015%@0dBFS(アンバランス/バランス)



ヘッドフォン・セクション

  • 出力: 6.3mm(アンバランス)1V / 最大3.3V 12Ω ‒ 300Ωヘッドフォン
  • 4.4mm Pentaconn(バランス)2V / 最大6.2V 12Ω ‒ 600Ωヘッドフォン
  • 出力: アンバランス>280mW @ 32R; >36mW @ 300R  バランス >380mW @ 50R; >70mW @ 600R
  • 出力インピーダンス: <1Ω(アンバランス/バランス)
  • THD+N: <0.005% (125mW @ 32R)
  • SNR:>113dBA(3.3V アンバランス / 6.2V バランス)



その他

  • 消費電力:信号なし〜 0.5W、最大信号〜2.5W
  • サイズ:117mm(長さ)×100mm(幅)×30mm(高さ)
  • 重量:491g(1.08ポンド)
  • 保証期間:12 ヶ月
  • 製品WEBページ:※作成中 発売日までにiFi audio日本語ブランドサイト(http://ifi-audio.jp/)内に開設予定




高度な仕様、超お買い得な価格、簡単な使用法、iFiのZEN DACはデジタル・オーディオ体験をさらに高い水準に押し上げます。

ハイレゾBluetoothストリーマーZEN Blueから立て続けに、iFiはZEN DACを発売して、デスクトップ・オーディオ製品のZENファミリーを拡張します。お求めやすい18,000円(税別)という価格からは考えられない仕様とパフォーマンスを実現したUSB DAC(兼ヘッドフォン・アンプ&プリアンプ)です。

家庭での使用、つまりおそらくはデスクトップやリビングルームで使用する前提で設計されたZEN DACは、PCやMacに、あるいはスマートフォンやタブレットにUSB経由で接続します。ハイレゾDA変換テクノロジーによって、あらゆるデジタル・オーディオ・フォーマットを超高水準に処理するとともに、アナログ・ヘッドフォン・アンプが、インイヤー・モニターからオンイヤー・ヘッドフォン、オーバーイヤー・ヘッドフォンに至るまで、あらゆるタイプのヘッドフォンに、すばらしいサウンドを送り出します。

コンピューターやスマート機器に直接ヘッドフォンを接続した場合に比べて、ZEN DACはリスニング体験を大きく変容させます。サウンドがよりクリアーになり、細部まで明瞭になり、広がりを持ち、より魅力的になるので、どのようなヘッドフォンを接続していても、その能力が最大限に引き出されます。

ヘッドフォンを駆動するのはもちろんですが、ZEN DACは家庭のオーディオ・システムでUSB DACとしてもご使用いただくことができます。ボリューム機能を有効にすることも無効にすることもできます。さらに、ヘッドフォン、外付けアンプ、アクティブ・スピーカーのどれを接続する場合でも、シングルエンド接続(RCA)とバランス接続(4.4mm端子)のどちらかを選択することができます。これは、この価格帯の製品では注目すべき装備です。

デジタル・ステージ


DACセクションは、iFiが幅広く使用しているバーブラウンのDACチップを基本に設計しています。なめらかできわめて「音楽的な」音質、そして「トゥルー・ネイティブ」なアーキテクチャーによって選択したチップです。これが、入力処理に使用されるXMOSチップとともに、優れた音質を生み出すことを可能にしているのです。ハイレゾPCM、「ビットパーフェクト」DSD、MQA(Tidalの「Masters」コースに使用されているハイレゾ・ストリーミング・コーデックです)を含む、あらゆるデジタル・オーディオ・フォーマットをカバーしています。ごくつつましい価格を考えると、ZEN DACのデジタル・オーディオの実力は、きわめて印象的です。




PCMとDXDのオーディオ・データは24k-bit/384kHzまで、そしてDSDのサンプリング・レートは2.8MHzから12.4MHz(DSD256)までサポートしています。バーブラウンのチップの「トゥルー・ネイティブ」設計のおかげで、PCMとDSDは別々の経路を通るので、DSDを、そのネイティブの形である「ビットパーフェクト」のままで、アナログ変換へ送り届けることが可能になっています。DSD対応を謳うDACの中には、DSDデータは確かに受け取りますが、その後はPCMに変換するものが多くあります。DSDをそのままネイティブで再生したい人にとっては、ZEN DACは購入しやすい価格でのすばらしい解決策となるのです。

ZEN DAC、そしてiFiの他のDACと、競合他社の製品とを違うものにしているもうひとつの特徴が、iFiがXMOSチップを社内でプログラムしているという点です。他のメーカーはチップに付属のファームウェアをそのまま使いますが、それはオーディオ・グレードのサウンドには最適化されていないということです。iFiは、専用のファームウェアを独自にプログラムして、オーディオ処理能力を高めているのです。

iFiはソフトウェアをプログラミング開発し続けているので、ファームウェアのアップデートを通じて様々な機能を追加したり最適化したりすることができます。これによってZEN DACは、使用者の再生の優先順位に合わせることができ、長期にわたって最先端の状態を確保することができるのです。使用者は、好みに応じてiFiの異なったバージョンのファームウェアをダウンロードしてインストールし、異なったデジタル・フィルターを試すことさえできるのです。

ジッターを根絶して、アナログ変換に到達するまでデジタル信号を完璧な状態に保つために、全体にわたってクロック・ロッキングを使用しています。

アナログ・ステージ


ZEN DACのアナログ・ステージは、バランス設計になっています。この価格帯のDAC/ヘッドフォン・アンプではきわめて珍しいことです。オーディオという背景で十分なパフォーマンスを発揮できるように注意深く選定された一連の高品質な回路部品を集めていますが、それにはTDKのC0Gキャパシター、テキサス・インスツルメンツの高精度超低ノイズ電源IC、高品質なアナログ・ボリューム・ポテンショメーターなどが含まれています。

ヘッドフォン・アンプ・ステージは、iFiが「PowerMatch」と名付けた、ゲインの切り替えが可能なスイッチを備えています。入力感度を調節することによって信号の強度を変えることができるので、駆動レベルとヘッドフォンの負荷レベルを合わせることができるのです。インイヤー・モニターのような高感度なタイプのヘッドフォンには、PowerMatchを低く設定して、超低ノイズのパフォーマンスを得ることができます。しかし、ご使用のヘッドフォンにもっと駆動力が必要な場合には(たとえば、オンイヤー・ヘッドフォンやオーバーイヤー・ヘッドフォンの大半はこれに該当します)、フロント・パネルのPowerMatchボタンを押して、ゲインを上げることができます。

TrueBassもまた、選択可な機能となっています。iFiの定評あるXBass回路の進化形であるTrueBassは、「バス・ブースト」を精緻に実現することができます。ミッドレンジを汚すことなく、低域を精妙に増強するのです。これは、深い低音が不足しているイヤフォンや開放型ヘッドフォンには、とりわけ有効です。すべてがアナログ領域で作用するので、DSP(デジタル信号処理)を使用することでデジタル信号が汚染されることはありません。この機能もまた、フロント・パネルのボタンでON/OFFを切り替えることができます。

豊富な接続性

ZEN DACは、フロント・パネルとリア・パネルの両方に、ペンタコン4.4mmバランス出力を装備しています。これは比較的新しいタイプのインターフェースですが、これを装備することによって、伝統的なXLR接続端子が装備できないような小型製品間でのバランス信号伝送が可能になります。フロント・パネルには、標準のシングルエンド6.3mmヘッドフォン端子と並んで、4.4mm出力端子が装備されています。これによって、バランス型ヘッドフォンの利点をフルに活用することができるのです。しかもこの端子は、バランス型、シングルエンド型を問わず、あらゆるタイプのヘッドフォンに対応しているのです。

リア・パネルの4.4mm出力端子は、バランス入力端子を備えたアンプやアクティブ・スピーカーに接続することができます。その際は、ペンタコンの4.4mm入力端子で接続するか、4.4mmからXLRへのY字変換ケーブルを使用して、XLR入力端子に接続します(変換ケーブルはトップウイングブランドから別売りで発売)。ZEN DACにはもちろんシングルエンドのRCA出力端子も装備しています。



●ブランド:トップウイング
●製品名:White Barrel 4.4XLR
●仕様:4.4mmオス→XLR3ピンオスx2
●バーコード:4589631463546
●標準的な小売価格:18,000円(税別)19,800円(税込)

これらのライン・レベル出力(バランスもシングルエンドも)は、「可変」と「固定」(Variable/Fixed)のどちらかをスイッチで切り替えることができるので、ZEN DACを状況に応じて柔軟に使用することができます。「可変」に設定すると、オーディオ信号のボリュームをコントロールすることができるので、ZEN DACをプリアンプとして使用して、パワーアンプやアクティブ・スピーカーに信号を送ることができます。「固定」に設定すると、ボリューム・コントロールをバイパスして、出力を4.2V(バランス)または2.1V(シングルエンド)に固定することによって、外付けプリアンプやプリメインアンプに接続することができます。

ZEN DACのエイシンクロナスUSB B入力は、「超高速の」USB3.0の基準をサポートしており、USB2.0とも互換性があります。

他のZENシリーズと共通して、ZEN DACも頑強でスマートな仕上げのアルミニウム・エンクロージャーを使用し、サイズもほぼ同様の158mm(幅)×35mm(高さ)×100mm(奥行き)です。ロータリー・ボリューム・コントロールまでもがアルミニウム製なので、堅固な感触をますます得ることができます。超お買い得な価格を考えると、実に印象的です。ボリューム・コントロールの背後にはLEDが装備され、受信したオーディオ・データのサンプリング・レートに応じて色が変わるようになっています。

2019年10月15日火曜日

iFi ZEN Blue、及びバランスライン専用ケーブルWhite Barrel Y字(4.4mm→XLR3ピンL&R)発売のお知らせ

iFiは、高品質で超低価格の一連のデスクトップ・オーディオ製品「ZENシリーズ」の発売を開始します。その第一弾として 最新のハイレゾ・コーデックのすべてをサポートした、世界初のBluetoothレシーバーで、スマートフォン、タブレット、PC、Macからあらゆるオーディオ・システムへ最高品質の音楽ストリーミングを伝送することができる「ZEN Blue」を発売いたします。

ZEN Blue

  • 製品名:ZEN Blue
  • 発売日:2019年10月18日(金)
  • 標準的な小売価格:18,000円(税別)19,800円(10%税込)
  • 電源:DC5V
  • チップセット:Qualcomm QCC 5100 series
  • 入力:Bluetooth 5.0TM with AAC, aptX, aptX HD, LDAC*, HWA* Codec
  • 出力:Optical/Coaxial, Audio RCA L/R, 4.4バランス・ライン出力
  • 周波数レスポンス:20Hz - 20kHz <+0/-0.5dB (44.1kHz)  1Hz - 44khz <+0/-3.0dB (>= 88.2kHz
  • 出力電圧: 2.05V (+/-0.05V)
  • ダイナミック・レンジ:109dB (A)
  • SN比:109dB (A) @ 0dBFS
THD & N@0dBFS:< 0.0015% 10k Load
  • 出力インピーンダンス:< 50Ω
  • 消費電力:< 2.5W
  • サイズ:158mm(長さ)×100mm(幅)×35mm(高さ)
  • 重量:76g(1.05ポンド)
  • 保証期間:12ヶ月
  • 日本オーディオ協会ハイレゾワイヤレスロゴ取得
  • バーコード:5081313082476
  • その他詳細:http://ifi-audio.jp/zenblue.html

  • *LDACとHWAは将来のファームウェアのアップデートによって利用可能になります。
  • 仕様は予告なしに変更になる場合があります。
  • 総務省技適認証取得済(※認証シールのない並行輸入品はすべて電波法違反となります。ご注意下さい)


ZEN Blueのラインバランス出力は4.4mm5極端子です。
通常はヘッドフォン端子に使われる端子ですが、通常のXLRバランスライン入力に出力するためには変換が必要です。



これをXLR3ピンLRに変換するY字ショートケーブル「White Barrel 4.4mmオス→XLR3ピンオスx2」をトップウイング・ブランドで発売します。線材にPC Triple-Cを用いた高品位ケーブルです。
この種の4.4mm端子を用いたY字ケーブルは海外で市販品もありますが、グラウンド接続がなされていないものも多く見受けられます。これではバランス接続になりません。このWhite Barrelはグラウンドもきちんと接続、バランス接続の特徴である相互干渉、及びクロストークの低減効果をもたらします。

●ブランド:トップウイング
●製品名:White Barrel 4.4XLR
●仕様:4.4mmオス→XLR3ピンオスx2
●バーコード:4589631463546
●標準的な小売価格:18,000円(税別)19,800円(税込)



White Barrel 4.4mmオス→XLR3ピンオスx2

2019年8月7日水曜日

iFi PowerStation テクニカルノート Part.2 電源ノイズ。これこそが真の災いのもと。

パート2:電源ノイズ。これこそが真の災いのもと。

Part 2: Mains noise. A real bane.
Power supply noise is the bane of every audio system. There are always multiple sources of noise and they come from two main sources – inside and outside.

External noise is all around

電源ノイズは、あらゆるオーディオ・システムの災いのもとです。ノイズの発生源は常にいくつもありますが、その主要な発生源は2つ:内側と外側です。

外部ノイズは周囲のあらゆる場所に存在します。

This chart shows that noise is anywhere and everywhere and some of it inevitably ends up in the mains that supplies the audio system. We can do little about most of these as they come from sources found in everyday life such as radios or mobile phones.

As these are wireless in nature, they are very difficult to deal with at the source, so we need to address the symptom.

この図を見ると、ノイズがありとあらゆる場所に存在し、中にはどうしてもオーディオ・システムに給電する電源に侵入してくるものがあることがわかります。こういったノイズに関しては、私たちには打つ手がほとんどありません。というのも、それらは、ラジオや携帯電話といった日常生活に必要な機器が発生源となっているからです。

こういった機器は無線で動作するので、機器側でノイズを抑えるのは非常にむずかしく、そのためこの症状に対処する必要が生じるのです。

The next chart shows the ‘local’ noise sources found in and around an audio system.

以下の図は、オーディオ・システムの内外に見出される「ローカル」ノイズを示しています。

Local noise comes from hi-fi components
These sources of noise are found in hi-fi systems and come from three main sources:

  1. AC mains power supplies
  2. Switch-Mode Power Supplies
  3. Digital circuitry.



ローカル・ノイズはハイファイ・コンポーネントから発生します

これらのノイズの発生源はハイファイ・システム中に見出すことができますが、それには3つの主要発生源があります:

  1. AC電源
  2. スイッチング電源
  3. デジタル回路





(From left to right:)

The first set of noise sources (10k > 10MHz) relate to AC supply rectifiers and their harmonics caused by Linear Power Supplies (LPS). Yes, they make a noise!
The second set of noise sources (67k > 200 MHz) is caused by Switch-Mode Power Supplies (SMPS). By comparison, these harmonics run in the higher frequencies.
The third set of noise sources (8 MHz > 500 MHz) is caused by digital circuitry, clocks and their harmonics. And this type of noise exists in the most upper frequencies.
You can see from the chart that the concentration of noise is from 30kHz upwards (the lower the dB, the less influential is the noise).

(左から右へ)

第1のノイズ源(10kHz>10MHz)は、AC電源の整流器と、リニア電源(LPS)によって生じる高調波に関係したものです。そうです、これらがノイズを発生させるのです!
第2のノイズ源(67kHz>200MHz)は、スイッチング電源(SMPS)が原因です。比較すると、これらの高調波は、もっと高い周波数で発生していることがわかります。
第3のノイズ源(8MHz>500MHz)は、デジタル回路、クロック、そしてそれらの高調波が原因となっています。また、このタイプのノイズは、いちばん高い周波数帯域に存在しています。

この図を見ると、ノイズが30kHz以上の帯域に集中しているのがわかります(dBが低くなるほど、ノイズの影響も低くなります)。

LPS vs SMPS
It is worth noting that, as much as LPS designs get a good reputation and SMPS designs get a bad reputation, the reality is somewhere in between. And the situation is dynamic.


LPS designs are on the whole good and, on average, are quieter than poorly designed SMPS power supplies (which tend to be more for charging mobile phones and are not optimised for noise). This is why LPS is often perceived as superior to SMPS.


LPS対SMPS

LPS方式は評判が高く、SMPS方式は評判が悪いのが現状ですが、現実はその中間になるということは、覚えておく価値があります。しかもこの現状は、流動的です。

LPS方式は全体的には良好で、一般的には設計の貧弱なSMPS(携帯電話を充電したり、ノイズ対策が取られていないと、ますますその傾向が強まります)よりも静かです。LPSがSMPSよりも優れていると認知されているのは、これが理由であることがよくあります。

Hybrid and electric cars used to be shunned, yet they are now all the rage. We believe the same is happening for SMPS. These are now more environmentally-friendly and consume far less power. Whereas all SMPS used to be ‘noisy’, we are one of the few companies who have broken down the SMPS into its constituent parts and fundamentally re-designed it for audiophile use ie super low- noise. The iPower is the ‘Model 3’ of SMPS power supplies.

ハイブリッドの電気自動車は、以前は避けられていましたが、今では大人気です。SMPSにもこれと同じことが起きていると、私たちは信じています。環境により優しく、電力消費も少ないからです。以前はSMPSはすべて「ノイズを発生する」ものでしたが、SMPSを構成部品の段階にまで分解して基本から設計し直し、オーディオファイルにも使用できるようにする、つまり超低ノイズにするという会社がいくつか出現しています。弊社もそのひとつで、iPowerはSMPS電源の「モデル3」なのです。



Nevertheless, not everyone has an iPower at their disposal. It is therefore important to be able to effectively deal with normal SMPS noise which can be quite severe.
The next section explains which aspects of the PowerStation target the different groups of noise and how this compares with the common approach.

Part 3 shows how active beats passive everytime.

とはいえ、だれもがiPowerを自由に使えるわけではありませんから、非常に深刻になる可能性もある通常のSMPSノイズを効果的に処理することができることが重要になります。
次のパート3では、PowerStationのどの側面が様々なノイズ・グループを標的にし、これが一般的なアプローチとどう異なるかを説明します。


パート3では、「アクティブ」が常に「パッシブ」に優ることを示します。(続く)

2019年8月5日月曜日

ジョン・カール、iFiとAMRの技術顧問に就任

iFi audioより、高名なオーディオ・エンジニア=ジョン・カール氏が技術顧問に就任したことが発表されました。以下はiFi audio本社オフィスが発表したプレスリリースです。---------------------

大きな尊敬を集めるハイエンド・オーディオ・エンジニアが、すべての新設計プロジェクトに参加します。

英国サウスポート発
iFi audioと姉妹会社のAMR(アビンドン・ミュージック・リサーチ)は、世界でもっとも尊敬されるハイエンド・オーディオ・エンジニアのひとりであるジョン・カールが技術顧問に就任したことを、喜んで発表させていただきます。

カールはiFiとAMRのすべての新製品の設計に関わり、弊社の技術部長トルステン・レッシュとコラボレーションして、すべての回路設計を最適化することを確保します。彼の参加による最初の製品には、まもなく発売になるデスクトップ・オーディオ製品のZENシリーズ(第一弾は8月末に発売予定)と、AMRのすべてが刷新されたハイエンド・コンポーネント(2020年発売予定)が含まれています。

ハイエンド・オーディオの栄誉の殿堂の最前列にあるカールの地位は、長年にわたって変わることがありません。1968年、ロックバンドのグレイトフル・デッドのためにミキシング・コンソールを製作している時に、彼はハイパフォーマンス・オーディオのベンチマークとなるソリッドステート回路を開発しました。「コンプリメンタリー・ディファレンシャル・インプット」がそれで、今でもトランジスター・メーカーが出版するアプリケーション・ハンドブックに載っています。

これが契機となって、カールは1970年代初期に若きマーク・レビンソンと一緒に活動することになり、今では伝説となっているMark Levinson Audio Systems JC-2プリアンプを(カールの「コンプリメンタリー・ディファレンシャル・インプット回路」を取り入れた最初の単体製品)、続いてA級動作のML-2パワーアンプを生み出します。彼は他にも、ハイエンド・オーディオ・シーンの多数の著名人と活動しましたが、その中にはデイブ・ウィルソンやジェフ・ローランドも含まれていたのでした。

カールはまぎれもなく、オーディオ設計の方向を変えるほど大きな影響力を持った一握りのエンジニアのうちのひとりです。私たちの多くは、そうとは知らずに、彼が設計した、あるいは彼の仕事にインスピレーションを受けた装置を聴いてきたのです。彼のソリッドステート回路設計は、この種のものの名作の例として称えられています。他のオーディオ・エレクトロニクス設計者と何が違うのかと尋ねられて、彼はかつてこう答えています。「私には回路のセンスがあるのです」。

今日、カールは選び抜かれたオーディオ会社と一緒に仕事をしています。アメリカを拠点とするParasoundや、近年ハイエンド・メーカーの中でももっとも称賛されているConstellation Audioなどです。iFiオーディオとAMRは、過去50年における最高のオーディオ回路のいくつかを作る中で彼が得てきた並外れた経験の利益にあずかれることを、喜んでいます。

弊社の営業部長ビンセント・ルークは、こう語っています。「ジョンの並外れた専門知識を、トルステン・レッシュが率いる弊社の才能ある技術設計チームに加える機会を得られて、わくわくしています。彼の洞察力は、iFiとAMRの製品の音質をさらに高めるのに役立つでしょう。ポータブル・オーディオやデスクトップ・オーディオから最高品質のハイエンド・ハイファイ・コンポーネントに至るまで、私たちは設計、機能、パフォーマンスの限界をさらに押し広げ続けます」。

以下原文-----
Press release - John Curl

John Curl joins iFi and AMR as technical consultant

Highly respected high-end audio engineer is engaged to work across all new design projects

Southport, England – iFi audio and our sister company Abbingdon Music Research (AMR) are pleased to announce that John Curl, one of the world’s most respected high-end audio engineers, has been engaged as a technical consultant.

 Curl is working across all new product designs from iFi and AMR, collaborating closely with our Technical Director Thorsten Loesch to ensure that all circuit designs are fully optimised. The first products to feature his input include our forthcoming ZEN range of desktop audio products – the first of which launches at the end of August – together with all-new high-end components from AMR, due in 2020.

 John’s status at the forefront of high-end audio’s hall of fame has been secure for many years. In 1968, whilst building a mixing console for the Grateful Dead, he developed a solid-state circuit that became a benchmark in high-performance audio – the “complimentary differential-input” circuit, which still appears in application handbooks published by transistor manufacturers today.

 This led to Curl working with a young Mark Levinson in the early 1970s, creating the legendary Mark Levinson Audio Systems JC-2 preamplifier ­– the first standalone product to incorporate Curl’s complementary differential-input circuit – followed by the ML-2 Class A power amplifier. He went on to work with many other luminaries of the high-end audio scene, including Dave Wilson and Jeff Roland.

 Curl is unquestionably one of a small group of engineers whose influence is so great it has altered the direction of audio design. Many of us have listened to equipment he has designed, or that was inspired by his work, often without even realising it. His solid-state circuit designs are lauded as classic exemplars of the type; when asked what makes him different to other audio electronics designers, he once replied, “I have circuit sense”.

 Today, Curl works with a select group of audio companies including US-based Parasound and one of high-end audio’s most lauded manufacturers in recent years – Constellation Audio. iFi audio and AMR are delighted to reap the benefits of the exceptional experience he has gained whilst devising some of the finest audio circuits of the last five decades.

 Vincent Luke, our Sales Director said: “We are excited to have the opportunity to add John’s exceptional expertise to our talented team of technical designers, led by Thorsten Loesch. His insight will help us to further raise the sonic bar with products from both iFi and AMR – from portable and desktop audio to the very finest high-end hi-fi components, we will continue to push the boundaries of design, functionality and performance.”

iFi PowerStation テクニカルノート Part.1 アクティブ化された電源タップ








Active Mains Purification
Poor mains power has an impact on audio. The quality of our mains power is further eroded by the abundance of cheap switch-mode power supplies in typical household appliances and the sea of RFI/EMI in which we are constantly bathed.

The iFi PowerStation is the solution. It forms part of our range of products that reduce ‘noise’ (distortion) in incoming electrical power - both directly from the mains or via USB ports. The PowerStation is the first to offer our proprietary Active Noise Cancellation in a whole-system, six/eight-outlet mains solution.

  アクティブに電源を浄化

貧弱な電源は、オーディオに深刻な打撃を与えます。日常使用している電源の品質は、典型的な家庭用機器で使用されている多数の安物のスイッチングモード電源、そしてまた私たちが常にさらされているRFI/EMI(電磁干渉/無線周波数干渉)によって、さらに損なわれます。

それを解決するのが、iFiPowerStationです。電源から直接入ってくる、あるいはまたUSBポート経由で入ってくる電力中の「ノイズ」(歪み)を低減する、弊社の一連の製品のひとつです。PowerStationは、弊社独自のActive Noise Cancelation(アクティブ・ノイズ・キャンセレーション)をシステム全体で提供する最初の製品で、6個または8個の電源接続端子が電源の問題を解決します。

Part 1: Actively goes where no power block has gone before
The PowerStation’s core performance–enhancing technology is Active Noise Cancellation II. It is an ACTIVE not a passive product. This enables it to achieve a far more comprehensive termination of noise across the frequency spectrum.

Most power ‘conditioning’ products engage passive noise reduction through a selection of filters and regulators. Whilst this can be effective, it has inherent disadvantages compared to our active system, which uses inverse noise current to cancel out the noise in the mains signal. The way this works is not unlike the technology in noise-cancelling headphones.

Noise in the mains supply occurs at different frequencies, depending on the cause. Passive noise reduction systems are effective at the top end of the frequency spectrum but tend to be less so at lower frequencies. In addition, passive systems need large capacitors to be truly effective, which make the best such products bulky and expensive.

This chart compares the (green line) which is ACTIVE to generic mains filters (red line) which are typically passive.

パート1:アクティブであることで、従来の電源ブロックにはできなかったことが可能になります。
PowerStationの核心となる、パフォーマンスを強化するテクノロジーが、Active Noise Cancellation 2です。つまり、パッシブではなく、アクティブな製品なのです。これによって、周波数帯域の全体にわたって、従来よりもはるかに広範囲にわたるノイズ除去が可能になります。

電源「コンディショニング」製品の大半は、フィルターとレギュレーターを選定することで、パッシブにノイズ低減を行います。これも効果はありますが、電源信号中のノイズをキャンセルするために逆流ノイズを使用する弊社のアクティブ・システムと比較すると、先天的に不利益な側面を持っています。このアクティブな動作方式は、ノイズ・キャンセリング・ヘッドフォンのテクノロジーに似ていなくもありません。

電源中のノイズは、原因によって様々な周波数で生じます。パッシブなノイズ低減システムは、周波数帯域の上限域では有効ですが、低域ではそれほどの効果は得られない傾向があります。さらに、パッシブなシステムは、ほんとうに効果をあげようとしたら、大きなキャパシターを必要とするため、最高級の製品になると、大型で高価になってしまいます。

以下の図は、アクティブな場合(緑の線)と典型的にパッシブな一般的な電源フィルター(赤い線)を比較したものです。

The effective noise reduction difference can easily be seen.
i. MUCH better at -40dB
ii. Effective across the WHOLE frequency range

有効なノイズ低減の違いがはっきりとわかります。
 i -40dBで「ずっと」良好
ii. 周波数帯域「全体」で有効

Our Active Noise Cancellation II is effective in reducing noise consistently across the entire frequency spectrum, by approximately -40dB. This is coupled to additional passive filtering on each outlet to eradicate noise at the very highest frequencies – typically caused by wireless transmission systems. The result is a mains block that delivers highly effective reduction of both differential mode noise (caused by conventional switch-mode power supplies, for example) and common mode noise (including interference caused by Wi-Fi and Bluetooth).

わたしたちのActive Noise Cancellation 2は、周波数帯域全体を通じて、一貫して約-40dB程度ノイズを低減する効果があります。これが、それぞれの電源端子のパッシブ・フィルターと組み合わされて、最高周波数帯域(無線伝送システムが原因となるのが典型です)までノイズを根絶するのです。その結果、ディファレンシャル・モード・ノイズ(たとえば、昔ながらのスイッチング電源が原因となります)とコモン・モード・ノイズ(WiFiBluetoothが原因の干渉)の両方で、きわめて効果の高いノイズ低減を実現する電源ブロックとなっているのです。

Where can the PowerStation be used?
The PowerStation is designed for use with ANY mains powered audio system. It is very effective when used with modern audio systems that have an abundance of digital and analogue components.

Typically, these systems are powered by a plethora of mains plugs. All of these ‘wall warts’ can add their own unwanted noise issues and pollute the local mains supply. The noise busting capabilities of the PowerStation can be taken one step further by adding our AC iPurifier to separate digital and analogue components and reduce cross contamination.

PowerStationはどこに使用するのか?
PowerStationは、家庭用電源を使用する「どのような」オーディオ・システムにも使うことができるように設計されています。デジタル・コンポーネントやアナログ・コンポーネントをふんだんに使った現代のオーディオ・システムに使用すると非常に高い効果を発揮します。

こういったシステムは、多数の電源プラグで給電されるのが典型です。これに使用される「ACアダプター」は、そのすべてが望ましくないノイズを加えて電源を汚染します。PowerStationのノイズ撃退能力は、AC iPurifierを加えてデジタルとアナログのコンポーネントを分離させ、相互汚染を低減させることで、さらに一歩進めることができます。


It can also be used with your home devices such as televisions and computers – anything that would benefit from cleaner power.

Sonic improvements delivered by the PowerStation include greater clarity and definition, plus enhanced dynamic and spatial qualities, avoiding the apparent softening of leading edges, timing and dynamics that can occur with lesser mains filtering products.
Read more about mains noise to Part 2.

家庭内のテレビやパソコンなどにも使用することができます。電源がクリーンになることで良い結果が得られるものになら、何にでも使用することができるのです。

PowerStationによって音質が改善すると、明晰度と解像度が増し、ダイナミック感と空間感が増強され、あまりクリーンでない電源を使用した場合に感じられる帯域の狭さ、タイミングやダイナミック・レンジの貧弱さを回避することができます。

電源のノイズについての詳細は、パート2で解説します。(続く)