2014年6月22日日曜日

micro iDSD開発(18)ソフトウェアデザインノート(4)

この記事は、micro iDSDの発売を控えたiFIのテクニカル・チームがHead-FIやFaceBookに掲載しているものです。

以下は6月17日の投稿------------

http://www.head-fi.org/t/711217/idsd-micro-crowd-design-naughty-naughty-the-underside-of-the-micro-idsd-page-64/825#post_10641278

DSD – 並のDSDじゃない

普通のDSD再生と、それとは違うと私たちが信じているiFiによるDSD再生があります。


Normal DSD

iFi DSD


私たちは、私たち自身のDSDの実現を心から喜んでいます。現存するもっとも独創的なDSDを実現したもののひとつなのです。その核心には、データ変換がないこと、そしてチップ内部に手が加えられていることがあります。ですから、DSDデータはビットパーフェクトな状態で保存されているのです。DSDデータには、それが出力ステージに送られる前に、アナログフィルターがかけられます。

私たちにとって、“デジタルにする”ということは、信号経路をできる限りオリジナルのまま保つということを意味します。理想的には、DSDが保たれたままのADCが、DSDが保たれたままのDACへと送られるということです(PCMについても、もちろん同様ですが、これについては後ほど述べます)。

nano iDSDとmicro iDSDの場合は、こうなります。

ですから、DSDで録音されたファイルを、これらのiDSDのバーブラウン・チップセットを通して再生する時には、リスナーは全ADC>DACへの経路がDSDフォーマットのままである、つまり“ネイティブである“ことが確保されるのです。こんな感じです:

私たちが使っているDSDチップは、“記録されていない仕様”(そうです、すべてのチップにそういう公表されていない仕様があるのです)の多くにアクセスできるように、すべてがソフトウェアでコントロールされています。では、その“記録されていない仕様”とは何なのか – micro iDSDを正式に発売する時に、それら(世界初の情報も含まれるはずです)をもっと詳しく発表しましょう。

世の中に出回っているDSDの能力を持ったチップのいちばんおいしいところと比べてみましょう。それらの大半は、データ変換とDSDデータの操作を行っています。ですから、それらはもはやビットパーフェクトではないのです。これは設計者の選択で、それは非常に特権的なことなのでしょうが、私たちとしては、そういった変換処理を避けることこそが使命だと考えるのです。

なぜか? ひとつのフォーマットから他のフォーマットへの変換は、損失を伴うからです。だからこそ私たちは、これをできるだけ避けるのがいちばん良いと思うのです。

では、どうしてそれがばれてしまうのか? もしもDSDストリームでデジタルボリュームコントロールを採用しているとしたら、それはDSDデータを非DSDデータに変換している可能性がきわめて高いということです(必ずしもPCMに変換しているということにはなりませんが、どう見積もっても、非DSDである何かに変換しているのです)。


プロのオーディオスタジオでもDAW(デジタルオーディオワークステーション)を使って変換しています
PyramixはDSDを使っているふりさえもしません。彼らのDAWでは、どんな処理も、まずDSD信号がDXD(24Bit/352.8KHz)に変換され、DXDとして処理され、それから再び変換してDSDに戻されるということを意味します。


Sonomaは、DSDワイド(別名PCMナロウ)に変換し、それから24ビットスケーリングファクターを適用し、最後に32PCMで処理して、それから変換してDSD(PCMから再変調された)に戻します。

SonomaであれPyramixであれ、DSDの処理は、DSDをPCMの形に変換するということです。DSDを保持しながら唯一できるのは、“テープ継ぎ”スタイルの編集だけなのです(“テープ継ぎ”というのは、昔の録音テープを、不要な部分をカットして再びつなぎ合わせるという、編集方法です)。

これらの“非常に”高価なDAWによる音楽録音/制作パッケージが、いったんデータをPCMに変換した後でなければ、DSDをフェードしたりボリューム調節したりできないのなら、メインストリームの、もっとずっと安価で便利なDACのチップセットはどうしたら生まれるだろうという論点から目を背けていることになります。

こう考えると、私たちがバーブラウンのチップセットを選び、“そして”これを中心に置いて、なぜ私たちがアナログボリュームコントロール(たしかにこれにも問題はありますが、私たちから見れば、音の点では被害がはるかに少ないのです)を使うのかという出発点に、立ち返ることになるのです。

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