この記事は、micro iDSDの発売を控えたiFIのテクニカル・チームがHead-FIやFaceBookに掲載しているものです。
以下は6月19日の投稿------------
http://www.head-fi.org/t/711217/idsd-micro-crowd-design-software-design-update-5-three-filters-each-for-pcm-and-dsd-enjoy-it-your-way-page-71/885#post_10646012
Turbo/Normal/Eco + iEMatchで完璧なヘッドフォンの組み合わせを
背景
どんなオーディオシステムでも、アンプとトランスデューサーとのマッチングはもっとも重要です。
スピーカー市場では、スピーカー+アンプのマッチングは典型的に行われていて、うまく行っています。
つまり、パワーの弱いアンプは能率の高いスピーカーと組み合わせるのです。
その逆も同様で、強力なパワーのアンプは能率の低いスピーカーと組み合わせるのです。
しかしながら、ヘッドフォン市場では、ヘドッフォンとヘッドフォンアンプとのペアリングは、まったくと言っていいほど一貫していません。そのため、マッチングがうまくできていないのです。ヘッドフォンをドライブするのに十分なパワーがなかったり(印象の薄いサウンドになるのが典型です)、インイヤーモニターをドライブするのに莫大なパワーのヘッドフォンアンプを用いたり(ボリュームコントロールで音量を制御できず、あまりにヒスノイズが増えるというのが典型です)、ということになるのです。
説明
ヘッドフォン市場において、私たちは現在発売されている事実上すべてのヘッドフォンをテストしたのですが、その結果に私たちはショックを受けました。
現在販売されているヘッドフォンを調べたところ、もっとも能率の高いIEM(インイヤーモニター)と、もっとも能率の低いヘッドフォンでは、53dBもの差があることがわかったのです。これは絶対に莫大な開きです(うるさいディスコと静かな図書館ほどの差で、わずかとはとても言えません)。
この能率幅の一端にあるのが、HiFi ManのHE-6で、他のどんなヘッドフォンよりもパワーを必要とします。90dB/Vとされているこのヘッドフォン界の“ハマー“(アメリカの高級大型SUV)を適正なレベルでドライブするには、3000mWが必要になります。こういったものを低能率のヘッドフォンに分類しましょう。
ところで、市販されているK1000(AKG)のような旧来の製品は、クレージーなほど低い84dB/Vとされているのですから、これはもう“怪物”状態ですよね。
能率幅の反対の一端にあるのが、超高能率のIEMです。ゼンハイザーの IE800は、143dB/Vとなっており、これならiPhoneのわずか15mWでもドライブできます。デジタルボリュームを50%程度にしておけばOKです。それを越えると、耳に障害を与えるレベルになってしまいます。こういったものを超高感度IEMに分類しましょう。
こういったヘッドフォンやイヤフォンをすべて扱うことのできるヘッドアンプにはまだ出会ったことがありませんが、それは驚くにはあたらないでしょう。ましてや、ポータブルで、しかもヘッドフォンのすべての能率幅を扱うことのできるDACヘッドアンプなど、出会ったことがないのは言うまでもありません。
注意:db/mWは直接には比較できません。私たちはすべてのヘッドフォンの感度を1Vの信号に合わせて測定しましたました。iPhoneの最高出力に近いからです。
最高出力とヘッドフォンの完璧な組み合わせは、どう考えるのがベストか?
Micro iDSDは、4000mWの最高出力を持っています。
ポルシェ911ターボSは最高出力560bhpを誇っています。このパワーをすべてアスファルト道路に投入して、ドライバーが要求するとおりに道をグリップすることができるようになるために、ポルシェはSport Plus/Sport/Comfortというモードを用意しています(下のSportボタンを見てください)。その完璧なセットアップに照準を定めるために、ポルシェ・ダイナミック・シャーシ・コントロール(下のPDCCボタンを見てください)は、クルマのドライブトレーンの全体をさらにファインチューニングし、最高のグリップを確保しています。
micro iDSDはTurbo/Normal/Ecoのモードを持っており、 これらをiEMatchと連携して用いることによって、リスナーは使用するIEM及びヘッドフォンにぴったりと合ったモードを選ぶことができます。
猛獣を解き放ってやりましょう(micro iDSD + あなたのヘッドフォンのことを言っているのですよ! 911ターボじゃなくて)
リスナーにどういう恩恵があるか
このOTW #2は、ヘッドフォンとmicro iDSDの完璧なマッチングについて述べているのです。
最初の最初から、ゼンハイザーの IE800からHiGFi ManのHE-6に至るまで、micro iDSDのパワーモード + iEMatchの組み合わせによって、リスナーは完璧なマッチングを選ぶことができるのです。
これが一例です:
HE-6: Power mode = Turbo and iEMatch = Off
IE800: Power mode = Eco and iEMatch = Ultra-Sensitivity 超高感度
これらはもちろん両極端の設定ですから、他のヘッドフォンやインイヤーモニターでは、パワーモード + iEMatchで異なった設定を調節し、ぴったりのものを選ぶようにしてください。
この設定がうまくいったら、micro iDSDのアナログボリュームコントロールは、12時あるいはそれを越える位置に上げることができます。このボリューム位置でmicro iDSDは最高の状態を発揮し始め、音楽を輝き渡らせるのです。
53dBの差について論じたことを覚えていますか? iEMatch + Ecoモードの“超高感度”からTurboモードに至るまで、iDSDで調節可能なゲイン幅は44dBです。これはつまり、SH IE800とHFM HE-6で同じ再生音量レベルを得るには、ボリュームコントロールを10dB調節すればよいということです。
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