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2020年7月22日水曜日

横幅70cmのミニシアター ~ ネトフリを省スペース・小音量で24時間存分に楽しむために ZEN DAC+JBL 104大活用

ZEN DACの使いこなしエッセイをTWCSGスタッフMr.Sが執筆。ご参考になれば幸いです。


70cm。こたつテーブルの一辺のサイズ〜JBL104-BTWとZEN DAC


このどちらのお宅にも存在するスペースに、小さな小さな自分だけの映画館を作ることができるんです。小さな画面、小さな音でも想像を超えるスケール感で観れるのがそのポイント。
早速レシピの解説といきましょう。使うのは普段使いのiPad。もちろんiPhoneやAndroidのスマートフォンでもOK、お手元のものをご活用ください。そこにスピーカーとUSC DACをちょい足ししてみましょう。ちょうどこんな感じです。


「どうすればいつものテーブルの上なんかに小さな映画館ができちゃうのかしら?」

今回チョイスしてみたモデルは以下の機器です。

  1. Bluetooth対応パワードスピーカー:JBL Professional 104-BTW-Y3
  2. USBDAC:iFi audio ZEN DAC

ミニシアターの核となる大切なスピーカーは、お若いアクティブな皆さんならばクラブやライブ会場のPAシステムで、ベテランな人生域を歩まれる皆さんならば往年のジャズ喫茶でそれぞれお馴染み、信頼信用のJBLマーク。どんな世代に属していてもきっとどこかで接したことがあるであろう、いつもみんなが気づかぬうちに楽しんじゃっているジェネレーションギャップを超えた名門ブランドです。

「スピーカー、少し大きいんじゃない?そもそもウチは大きな音が出せないんだけど」

これはいいご指摘。ハイ、そうなんです。小さな音で聴かなければいけないからこそ、それなりの大きさのスピーカーを選んでいます。ここはひとつめのポイント。手のひらに乗るような極小のスピーカーって、実は細かい音が聴き取りにくいんですね。聴き取りにくいからボリュームを上げてみると、今度は割れたり歪んでしまって音として成立しなくなってしまう。つまり、ボリュームノブによる適切な音量調整域が逆に狭くなってしまうんです。小さく且つ適切な音量でしっかりとすべての音を聴き取りたいから、あえてのこのサイズ。でも実際に設置してみるとそんなに大きくはないって気が付いてもらえるはず。でないと、こたつテーブルサイズの上にマイシアターは作れませんから(笑)

そして、もうひとつのポイント。小型のUSBDACというオーディオ機器も併せて使いましょう。

USBDACとは、iPadやiPhone/スマートフォン、パソコンのサウンドクオリティを劇的に改善してくれる魔法の箱。アーモンドチョコレートの箱よりちょっと小さい程度の大きさです。

適切なサイズのスピーカーとUSBDACの相乗効果によって、小さな音量の時の聴き取りやすさが段違いに高まるんですよ。先ほども触れましたがもう一回。ボリュームをついつい上げてしまう理由って実は単純。小さい音や細かい音が聴き取りにくくって、ストーリーにどうにも付いていけなくなるのでついつい上げてしまうんです。音を専門にデータ処理するUSBDACって、タブレットやスマホ、パソコン自身の中でサウンドを処理するときよりもノイズの影響を受けにくいから音のメリハリはハッキリしますし、細かい音の処理も得意なんです。よって、深夜に小音量で存分に映画やアニメを楽しむのには持ってこいの「頼れるオーディオ機器」

おススメはiFi audio ZEN DAC。音のうるさ型、世界のオーディオマニアの支持も厚いイギリスの製品です。




「ちょっとよいスピーカーやオーディオで観る映画やアニメって、どんな感じなの?」
「サウンドのクオリティアップは大画面化と比べて価値があるのかしら?」


映画やアニメのサウンドの創り込みってスゴイですね。あらためて感心したわけです。よく考えてみますと、映画やアニメの劇中サウンドは“オリジナルサウンドトラック”という名称で、立派な音楽ジャンルとして成立してますものね。

緊迫する場面、バックグランドのサウンドって作品表現の上でどのように描かれるのか気が付いていらっしゃいますか?ストーリーにおける伏線。これから先を暗示するような場面では左右方向に細長く、そして奥行きを持ちながら限りなく単調に流れていきます。次いで突如としてやってくるストーリーが大きく動き出す見せ場のシーン。ストーリーの重要パートです。差し掛かるや否や画面の上下前後の方向へとサウンドが激しく揺さぶりをかけてきます。いつもはさして気にもしてなかったバックグラウンドのサウンドを背景に、登場人物の声や吐息、そしてため息が時折浮かび上がるよう。臨場感ありきのストーリー。そしてそこに生きるキャラクターたち。こんな演出に気が付くと、キャラクターに命を吹き込む俳優さんや声優さんの声に魅かれる方が多いというのも、なるほど確かに納得です。「天才だわ、この作品を手掛けたひとって」そんなひと言もきっと囁きたくなろうもの。

ほんの横幅70cm足らずのホームシアターだって、あの作品からそのくらいのレベルでちゃんと感じられるんです。臨場感って、サウンドから受ける影響のほうが実は大きいものだから。

ちなみにこのシステムならば細かい音も丁寧に漏らさず耳に届けてくれますから、深夜の小さな音でも大丈夫。爆音? 有り得ません(笑)この組み合わせならばそんな必要はなし。画面サイズを超えるスケール感。映画館的サウンドの充実は作品に没入させてくれる魔法と言えましょう。きっとオールナイトで無我夢中になってるはず。気が付くと既に日が昇っているかもしれませんね(笑)

それでも「今日はどうしてもヘッドフォンを使いたいんだ」というときだってお任せを。ZEN DACに搭載されるヘッドフォンアンプならば、ビギナー向けからスーパーマニア向けに至る、今巷に存在する有線タイプのヘッドフォンやイヤフォンに対して満遍なく適合します。これも素晴らしいサウンドなんですよ。

さあ、いつものテーブルの上をプライベートミニシアターに。NETFLIXなどのサブスク配信で映画やアニメをいつも以上に楽しんでください。


より素晴らしく使いこなすためのTIPSをご紹介

まずはその0。スピーカーの下に台座としてコースターを敷いてみましょう。これ、一丁目一番地なので、あえて“その0” で。

スピーカーの下に敷く台座をして、オーディオの世界ではインシュレーターという言葉で呼んでいるのですが、その目的はスピーカーの振動を机や床に響かせないようにするためのもの。スピーカー以外の余計な音をとっても低減させることができますので音が濁らず、また床を伝う騒音も抑えます。ホントにいいことづくめ。一般家庭でスピーカーを使うときのマストアイテム。


このインシュレーター、オーディオマニア向けには目ん玉が飛び出るほどのプライスで売っている専用製品もあるのですが、ここでそんなマニア向け製品を選ぶのは野暮というもの。上の画像では、IKEAのコルクコースターをひっくり返してその上にスピーカーを置いています。これで十二分に音がよりハッキリクッキリ、騒音になりそうなテーブルの振動だってとっても抑えられています。10cm程度の直系のものであれば、コルクに限らず木製でもゴム製でも効果があるはずです。IKEAに限らず、ニトリや100均にだってありますから、これは是非活用してみてください。あるとないじゃ全然違いますよ。

その1。iPadとUSBDACはあえて有線で接続してみましょう。

「え?このスピーカーってBluetoothが使えるじゃない?」

ええ、そうなんです。でも、ここはあえての有線。お料理でいうところの隠し味。iPadであればAppleさんの純正カメラコネクションキットを介して普通のUSBケーブルで結線します。するとどうでしょう!声が効果音が、踊るような躍動感にあふれます。

一般的なBluetooth接続でのサウンドモニターにありがちな遅延もありません。遅延とは、「画面に映る登場人物の口の動きに比べて、実際の音が少し遅れて聴こえるちぐはぐな状態」を言います。今、Bluetoothでちょっと議論になっているホットな問題でもあります。映画やアニメ、それでは具合が悪いですよね。そこは古式ゆかしい王道の有線接続で根本的に対策を施しましょう。



その2。USBDACには専用の別売ACアダプターを使って単独に電源供給を行いましょう。

今回選んだZEN DACは、USBの接続元がパソコンであった場合はUSBバスパワーという仕組みでパソコンから電源供給を受けることが出来ます。これはデスクトップパソコンでもノート型パソコンでも同じです。ですが、iPadやスマホなどのポータブルデバイスは、自身のバッテリー持続時間を維持するために、USBDACのような外部USB機器に対しては十分な電源供給能力を持っていないのです。

そこで裏ワザ。iPadやスマホでもZEN DACを動かせるようにするために、ZEN DAC専用のiPower5Vという名称の別売ACアダプターを併用しましょう。サウンドをUSBDACという専用の機器で処理する効果に加えて、サウンド処理の専用電源化でさらに高音質化を図ることができます。この裏ワザはもちろんパソコンでも使うことが出来ます。母艦がパソコンの方にも絶対有利に作用しますので、iPower5VはZEN DACを使うときのマストアイテムですよ。



その3。USBDACとスピーカーの音声ケーブルは、ぜひともバランス接続で。

さあ、ここがこのシステムが本丸です。世間に幾多数多存在するパワードスピーカーやUSBDACの中から、何故 JBL Professional 104-BTW-Y3とiFi audio ZEN DACをペアとして設定したのか? それが、「バランス接続」というキーワードです。

ちょっと難しいお話になりますが、ざっとこのバランス接続についてご案内しておきましょう。私たちが家庭環境においてオーディオ機器を使用するときの接続の仕組みは、通常アンバランス接続と呼ばれる方式を利用しています。この仕組みで代表的なものは、端子が赤白に彩られた通称「ピンプラグのケーブル」を使用する形。対して、バランス接続という仕組みは形状も違い、電気的な仕掛けで工夫すら凝らしておりますので、一般的なアンバランス接続よりもノイズに対してとても強い特性を持っています。とってもノイズに強いということは、外乱に負けてしまいそうな小さくて細かいサウンドもより明瞭に伝送できるのでした。繊細な音への配慮は、ストーリーや設定に基づく作品のディテール表現やリアリティの追求にとって決して欠く事のできない大切な要素というわけです。その効果たるや絶大でして、作品に対する表現の豊かさは一般家庭向けのアンバランス接続で感じ取れるレベルとは比較にすらなりません。

よって、音楽や映画、アニメを制作する折に使われる録音スタジオでも、このバランス接続が採用されています。要するに、皆さんが心を打たれたあの作品の俳優さんや声優さんに使われたマイクも、あのバンドのレコーディングも、本をただせば全部バランス接続だった、と言っても過言ではないのであります。

さて、JBL Professional 104-BTW-Y3とiFi audio ZEN DACのペアの話に戻りましょう。

この両モデル、そんなバランス接続に対応しているのです。元々業務用オーディオ機器で一般的な規格ですので、これが家庭向けのオーディオ機器に採用されている事例は、スーパーマニア向けのコンシューマオーディオ機器くらいにしかありません。せっかくこの組み合わせで使うのならば、接続は是非バランス接続でいきたいですよね。この組み合わせがそこらに転がるシステムとはちょいと違ってるんですよ、という証と言えましょう。

このシステムにてバランス接続を行うための専用ケーブルは別売でちゃんと用意されておりまして、それが、TOPWINGブランドでリリースされている「White Barrel 4.4 TRSケーブル」。少々値の張るオプションではありますが、その効果といえば前述のとおり絶大。あの声優さんや俳優さん、バンドメンバーがレコーディングに使ったであろう仕組みと同じ接続をして、お気に入りの作品を再鑑賞してみましょう。改めて感じ入る感慨や感嘆、新たな発見、あなたしか気が付かないとても楽しいツボが隠れているかもしれませんよ。






「お片付けしたい時もあるんですけど、そんなときはどうしたらいいのかしら?」

部屋の中心に置かれているテーブル。それって生活の中で休みなく使い続けている家具ですよね。お客さんがやってくればテーブルを全面に囲んでお食事を・・・なんてこともきっとあるでしょう。そんなときはテーブルの上をきれいサッパリにしておかねばなりませんよね? とてもミニシアターの機材を置きっぱなしにしておく、なんて出来ないはず。では、機材一式を解体してお部屋の棚にまるっと片付けてしまいましょう。

ケーブルやiPadも含めてミニシアターの機材一式を解体して棚にしまうとこんな感じになります。



画像例のとおり、一辺35cmのキューブボックスに収納しきってまだ隙間が残っていますから、普通のカラーボックスのひと棚ですと2/3にも満たない程度でしっかり収まると思います。これならば、お客さんとテーブルの上でお食事、なんていうときにはササっと簡単に片づけてしまうことが出来ますね。

限られたお部屋のスペースは有効利用しなきゃいけません。このシステムならば手間取ることなし。どうぞご安心を。


いい時代になりました。テーブルの上でプライベートミニシアターがリーズナブルに実現できるなんて

世はコンテンツ視聴と言えば「サブスクリプション」。サブスクのお手軽さは映画やアニメ、音楽の楽しみ方を根本的に変えてしまいました。劇的な勢いによるテレワークを例としたオンライン化の浸透に伴って、個々人の中のプライベートと社会の接点すらその密度が変わろうともしています。

そんな背景から、プライベートな趣味にも仕事にも通信を伴うwebサービスの利用や関連デバイスの導入はハードルがどんどん下がっていく方角へと向くわけですが、浸透するに連れて、段々とその質が問われるようになるのだろうと思うのです。

「手軽さと質」はいつの時代もトレードオフな関係であること、長い時の流れを見据えてもそこに間違いはありません。ですので、極端に手軽さへ振った先を思いますと、それは「人の感性をより良く満たす」という当たり前が薄れていくベクトルやもしれない、というわけであります。

大切なことはバランス。合理的で便利だけれども、手の掛かるものが感じさせてくれる充実感だってしっかり満たしてくれること。今回ご提案しますシステムは、そのバランスをきっと叶えてくれるものと信じています。

このシステムは映画やアニメ、音楽の鑑賞だけにしか利用価値を見出せない様な用途限定されたものではありません。特に「人の発する言葉の表現」が大変素晴らしいシステムですから、英語をはじめとするオンライン語学教室での講師の発音をしっかり両耳で聴き取るようなお習い事利用やZOOMなどのオンライン会議ツールでのリアルタイム音声モニターとしてもハイレベル・ハイクオリティに対応できる、多用途適用可能なユーティリティハードウェアでもあります。

最近リーズナブルにはなったのだけれど、あまり音の良くない製品の多い大型テレビ用の音声モニターとしてリビングに置くことだってできましょう。そういう使い方ならば、なにもパーソナルなシステムに留まらず、ファミリー共有のBluetooth対応ミニオーディオシステムとしても華麗に飛躍、変身いたします。



今の時代だからこそ存在すべき、新しいスタイルに適合したマルチパーパス・オーディオシステム。突如到来してしまった、ボーダーレス&タイムレス、そしてエリアレスなライフスタイルへの適性は抜群だと思うのです。

では、これからの日々のさらなる充実をお祈りいたします。


参考情報その1:見本写真の商品構成一覧です。



<本体>

  • Bluetooth対応パワードスピーカー:JBL Professional 104-BTW-Y3(電源/スピーカーケーブル付属)= オープンプライス ※標準的な売価例 ¥22,000~¥23,000程度(税別)=
  • USBDAC:iFi audio ZENDAC(USBケーブル付属)= 標準小売価格 ¥18,000(税別)=


<メーカーオプション類>

  • USBDAC用ACアダプター:iFi audio iPower5V = 標準小売価格 ¥6,800(税別)=
  • iPad/iPhone向USB接続用キット:Apple Lightning-USBカメラアダプター (Androidの場合はこの代わりにOTGケーブルを利用) = Apple Storeオンライン売価 ¥2,800(税別)=  ※OTGケーブルの場合:市中売価例 ¥700程度
  • 当該構成向バランス接続用スペシャル音声ケーブル:White Barrel 4.4TRS = 標準小売価格 ¥18,000(税別)=


<ちょい足しアクセサリー類>

  • スピーカー用インシュレーター(台座/直径10cm程度):IKEA コルクコースター 2ピース    = IKEAオンラインストア 売価例 ¥200程度(2ピース)=
  • iPad用スタンド:ダイソー 木製イーゼルスタンド  = 市中売価例 ¥100 ~ ¥300程度 =
  • サウンド反射抑制・テーブル振動抑制目的のテーブルクロス:一般的なテーブルクロス  = 市中売価例 ¥ 800〜程度 =

<設置スペース>

  • 横幅70cm・奥行15cm程度の占有面積にてワーキングテーブル上に並べてシステムを配置



参考情報その2:スピーカー用横置き台座について

JBL Professional 104-BTW-Y3は、スピーカーエンクロージャー側面(筐体側面)がラウンド加工されていますので、そのままでは横置きにすることが出来ません。この場合も画像例のようなちょい足しグッズを流用することで、横置き台座として使うことが出来ます。画像を参考に、Amazonや業務用食器専門ショップを探してみてください。一般的なものですので比較的容易に見つけることが出来ると思います。

<ちょい足しアクセサリー>
・スピーカー用横置き台座(長さ7~9cm程度):一般商品名 ナイフレスト(シルバーレスト)
 ※いわゆるナイフ・フォーク置きです。
   = Amazon売価例 ¥500程度(1個)=




2020年2月7日金曜日

iFi史上最小ポタアンhip-dac 今春登場&ポタ研で世界初披露

iFi史上最小ポータブルアンプの登場です!

2月26日発売→初回ロットは品切れでご迷惑をおかけしました。

次回ロット4月中旬予定

4.4mmバランス対応/MQA対応/尻ポケットに収まる→iFi史上最小サイズ/ゲイン切り替え機能「PowerMatch」実装






●製品名:hip-dac

仕様
●サポート・フォーマット:
DSD256/128/64 (Octa/Quad/Double/Single-Speed DSD)
DXD(384/352.8kHz)
PCM(384/352.8/192/176.4/96/88.2/48/44.1kHz)
MQA(レンダラー)

●デジタル入力:
USB3.0 A
ハイスピード・エイシンクロナスUSB2.0(32bit/384kHz)

●ヘッドフォン出力:
4.4mmバランス
3.5mmシングルエンド

●出力電圧:
2.0V/400 mW (16 Ohm)

●バッテリー:
リチウムポリマー 2200mAh

●電源システム:
USB-C経由で充電(BC V1.2 充電電流1000mAまで対応)

●消費電力:
消費電力:<2W(待機時)、4W(最大)

●サイズ:
102mm(奥行き)× 70mm(幅)×14mm(高さ)

●重量:
125g(0.28 lbs)

●発売時期:今春を予定 2020年2月26日(確定)

●標準的な小売価格
18,000円税別(19,800円税込)

●特記事項
2月8日(土)開催に開催されるポタ研にてデモ機を世界初披露します!

iFiの受賞歴のあるポータブルDAC&ヘッドフォンアンプ・レンジに、すべてが新設計の「hip-dac」が加わります。

ペトロールブルー(緑がかった青色)に銅をあしらったドレスをスマートに装った、どこにでも持っていける「hip-dac」は、ポケットにすっぽり収まるようにデザインされ、ハイレゾのスペックを幅広くカバーします。18,000円(税別)という価格がとても信じられないでしょう。

「hip-dac」は、スマートフォン、タブレット、PC、Macの性能の劣るDAC(DAコンバーター)とアンプ回路に代わって、ヘッドフォンのサウンドを改善します。そのデザインとパフォーマンスは、同クラスの他のDAC&ヘッドフォンアンプを大きく引き離します。「hip-dac」にUSB経由で再生機器を接続し、お気に入りのケーブル付きヘッドフォンやインイヤー・モニターをつないでください。「hip-dac」が大胆なほどのダイナミズムと流れるような洗練性に溢れたサウンドを生み出し、あらゆるタイプの音楽であなたを苦もなく魅了します。

家庭でも、オフィスでも、列車や飛行機でも、「hip-dac」は音楽を愛する人にとって切り離すことのできない友となるでしょう。



DACセクションは、iFiが各製品に幅広く使用しているバーブラウンのDACチップを基本にしています。なめらかできわめて「音楽的な」音質と、「トゥルー・ネイティブ」のアーキテクチュアによって選定したチップです。これをiFiのカスタム設計回路と組み合わせることによって、「hip-dac」は、ビットパーフェクトPCM、ネイティブDSD、MQA(Tidalの「Masters」プランで使用されるハイレゾ・ストリーミングCODEC)を含むあらゆるデジタル・フォーマットから優れたサウンドを引き出すことができるのです。

ハイレゾPCMとDXDのオーディオ・データを384kHzのサンプリングレートまでサポートするとともに、DSDは2.8MHzから12.4MHz(DSD64、128、256)までサポートしています。バーブラウン・チップの「トゥルー・ネイティブ」デザインのおかげで、PCMとDSDはそれぞれ別々の経路を通るので、PCMもDSDもアナログ変換までネイティブな「ビットパーフェクト」の状態のまま伝送することが可能になります。これは、他のDAC&ヘッドフォンアンプの大半には不可能なことです。ロータリー式ボリューム・コントロールの両側にひと組のLEDが装備されていますが、これは再生中のデジタル・オーディオのフォーマットとサンプリングレートに応じて色が変わるようになっています。

クロックシステムとX-MOS

幅広くクロック・ロッキングを行うことによってジッター(デジタル歪み)を根絶します。iFiのGMTフェムト精度のクロック・システムを使用して、デジタル信号の純度をアナログ変換まで維持するのです。

競合他社のデザインとこのDACを、そしてまたiFiの他のDACを差別化しているもうひとつの回路が、XMOSチップです。このチップは、USB入力で受信したオーディオ・データを処理するのですが、そのプログラムはiFiが作成しています。一般に市販されているファームウェアは、オーディオ・グレードのサウンド用には最適化されていません。iFiはこれに頼るのではなく、独自の専用ファームウェアをプログラムすることによって、オーディオ処理を強化しているのです。

iFiはソフトウェア開発を常に行っているので、ファームウェアのアップデートによってプログラムを追加したり最適化することができ、これによって「hip-dac」は再生を最優先するように最適化され、長年にわたって最先端の状態を保つようになっています。iFiの異なったバージョンのファームウェアをダウンロードしてインストールし、異なったデジタル・フィルターを試すことさえできるのです。

アナログステージ
「hip-dac」のアンプ回路はバランス設計になっています。これは、この価格帯のDAC&ヘッドフォンアンプではきわめて珍しいことです。バランスオーディオ回路は、信号経路内のノイズを低減することができるので、有名なハイエンド・オーディオ・エレクトロニクス・エンジニアのジョン・カール(現在はiFiの技術顧問を務めています)が長年にわたって擁護している方式です。カールは、トルステン・レッシュが率いるiFiの社内テクニカル・チームと密接に活動し、この種の機器では例外的なほどの品質を持ったアナログステージを生み出したのです。

この回路は、オーディオで使用するという背景で注意深く選定された一連の高品質な部品を使用しています。それには、iFi特製のOVオペアンプ、TDKのC0Gクラス1セラミック・キャパシター、テキサス・インスツルメンツの高精度低ノイズ電源IC、高品質なアナログ・ボリューム・ポテンショメーター(多くのポータブルDAC&ヘッドフォンアンプは性能の劣るデジタル・ボリューム・コントロールを使用しています)が含まれています。

ヘッドフォンアンプ出力は公称値が400mWなので、接続されるヘッドフォンンのインピダーンス次第ではバランス出力から700mW以上を引き出すことができます。これは「hip-dac」と同価格帯の製品と比較すると、見事な数値です。あらゆるタイプのヘッドフォンやイヤフォンを易々と駆動することができるのです。

アンプステージはゲインの切り替え機能を備えており、iFiはこれを「PowerMatch」と名付けています。これによって、ヘッドフォンの負荷に駆動レベルを合わせることができます。入力感度を調節することによって信号の強さを調節するのです。インイヤーモニターのような高感度のヘッドフォンのタイプでは、「PowerMatch」を低い数値のままにしておくことで、超低ノイズのパフォーマンスが実現します。ご使用のヘッドフォン(たとえばオンイヤーあるいはオーバーイヤー・タイプのヘッドフォンの大半)にもっと駆動力が必要な場合には、フロントパネルの「PowerMatch」ボタンを押してゲインを増加させます。

出力は2系統装備しています。シングルエンド・ケーブル&端子を装備したヘッドフォン用の3.5mmソケットと、バランス接続が可能なヘッドフォン用の4.4mmペンタコン出力です。このバランス接続によって、「hip-dac」のバランス設計の利点をフルに楽しむことができます。さらに、3.5mm出力はiFi専用のS-バランス回路を搭載しているので、通常のシングルエンド・ヘッドフォンを接続しても、クロストークとそれに関連する歪みを半減します。これは、高感度のインイヤー・モニターでは特に有益です。「hip-dac」の「PowerMatch」機能と組み合わせることによって、こられの出力は、他社の同価格帯のDAC&アンプが対応しているものよりももっと幅広いタイプのヘッドフォンやイヤフォンから、クラスをリードするパフォーマンスを引き出します。





1. PowerMatchⓇ(ON/OFF)
PowerMatchを使用すると、ヘッドフォンのインピーダンスと感度を最適に合わせることができ、最高に効率の良いパフォーマンスを生み出します。
インイヤーモニターを使用する場合はPowerMatchを「OFF」にして試してみます。ヘッドフォンを使用する場合はPowerMatchを「ON」にして試してみます。

2. XBassⓇ(ON/OFF)
多くのヘッドフォンは正確な低域レスポンスを生み出すことができません。XBassⓇは、失われた低域レスポンスを「取り戻す」ことを目指して設計されたアナログ回路で、これを使用することによってオリジナルの音源をより正確に再現することが可能になります。

3. オーディオ・フォーマットLED(kHz)
hip-dacが音楽ソースから受け取ったオーディオ・フォーマットとサンプリング周波数に応じてLEDの色が変わります。

4. 電源のON/OFF、アナログ・ボリューム・コントロール
Hip-dacのアナログ・ボリューム・コントロールは、どんなデジタル・ボリューム・コントロールよりも優れています。

5. 4.4mmバランス・ヘッドフォン出力

6. 3.5mmシングルエンド・ヘッドフォン出力




接続、バッテリー

「hip-dac」のUSB入力は、32bit/384kHzまでのオーディオ・データに対応し、「スーパースピード」のUSB3.0に準拠しています。もちろん、下位のUSB2.0互換です。エイシンクロナスで動作するので、データ・レートは「hip-dac」の専用オーディオ・クロック回路でのみレギュレートされ、その結果ソース機器からの正確でジッターのないデータ伝送が確保されるのです。

USBポートは2つ装備しています。USB-Aはオーディオ・データ用で、USB-Cは充電用です。珍しいことですが、USB-A入力は通常の「メス」ポートではなく、「オス」端子になっています。これによって、他メーカーのDAC&ヘッドフォンアンプに広く装備されているUSBポートやマイクロUSBポートよりも完全なメカニズムが実現します。これはまた、iPhoneやiPadを使用する際にも有利になります。なぜなら、AppleのLightning - USBのカメラアダプタを、「メス→オス」のUSBアダプタなしでそのまま接続することができるからです(カメラアダプタは、AppleのiOS機器をサードパーティー製のUSB機器に接続する際に必要になります)。





「hip-dac」の2200mAhバッテリーは、ボリューム・レベルや接続されたヘッドフォンの電力消費に応じて、8~12時間の再生に対応します。USBケーブルが3本同梱されています。USB-C OTG(On-The-Go)ケーブル(Android機器やPC/MacをUSB-Cポートに接続するのに理想的です)、USB-Aケーブル、USB-A-Cの充電用ケーブルです(AppleのiOS機器を接続するのに必要なカメラアダプタは別途購入してください)。

ペトロールブルーの102mm×70mm×14mmの成型アルミニウム製エンクロージャーに収められた「hip-dac」は、トレンドにぴったりの色で、高級感のある外観と感触を持っています。Pantoneの「カラー・オブ・ザ・イヤー2020」もブルーなのです。ヘッドフォン・ファンを元気付ける「hip-dac」は今春の発売、価格は18,000円税別を予定しています。



MQA

この価格帯では数少ないMQA(レンダラー方式)対応です。MQAの技術的な側面、および方式についてはMQA.jpのサイトをご参照ください。
マニュアルは製品マニュアルのページに上げてあります。

2015年6月17日水曜日

TASCAM Hi-Res Editor

本日リリースされたTASCAM Hi-Res Editorですが、早速nano iDSDとmicro iDSDをつかて再生のみ検証してみました。
Audio DeviceのところをプルダウンでiFi (by AMR) HD USB Audioに指定すれば問題なく再生できるようです。DSD11.2MHzでも問題はないようですね。取り急ぎご報告まで。


 






2015年3月3日火曜日

11.2MHzを聞こう 第4回:世界中の11.2MHzの音源紹介(Eudora Records)

 
●レーベル:Eudora Records
●アーティスト:Ricardo Gallen
●アルバム名:ソル / ギター・ソナタ集
●配信URL:https://eudora.nativedsd.com/albums/fernando-sor-guitar-sonatas
●曲数:10曲 1時間15分
●価格:23.14ユーロ
●ファイルサイズ:圧縮時8GB 展開時11.8GB  (ステレオの他に5chサラウンド[フロントLR、センター、リアLR]の音源もある)

 DSD 11.2MHzを聞こう 第4回は、Ricardo Gallenによるフェルディナンド・ソル / ギター・ソナタ集を紹介する。DSD 11.2MHzとしては世界初の商用配信音源だ。グランド・ソナタ第1番Op.22、グランド・ソナタ第2番Op.25、グラン・ソロOp.14(初版)、ソナタOp.15-2が収録されている。サラウンド音源もあるが、本稿ではステレオ音源を取り上げる。本アルバムは、ネイティブDSD音源を専門に取り扱うNativeDSDにて配信されている。以前はここからのダウンロードにはかなりの時間がかかったが、最近になって回線を増強したのか改善されたようだ。本アルバムは8GBという大きさながら、私の100Mbpsの光回線環境では80Mbpsと実効値に近い速度でダウンロードが出来た。大体20分弱だろうか。
  解凍には7zipを用いた。なお、配信サイトにはDSFフォーマットである旨が書かれているが、実際はDSDIFFフォーマットである。    Ricardo Gallenはスペイン生まれのクラシックギタリスト。今までもNaxosなどから作品をリリースしていたが、この度自身のレーベルEudora Recordsを立ち上げた。本アルバムは世界初の商用DSD 11.2MHz音源であるとともに、Eudora Recordsにとっても初作品となる。
  DSD 11.2MHzの録音にはMerging Pyramix,Horusが用いられ、フェードイン&アウトにはDXDによる編集がされているものの、他はネイティブなDSD 11.2MHzである。録音はスペインはクエンカにあるサンミゲル教会で行われた。写真を見る限りだと奏者に近い方がサラウンド、遠い方がステレオと分けてマイクを立てており、ともにワンポイント録音のようだ。

 響きの多い教会で音量が小さめの古楽ギターを、かなりの距離を取ったワンポイントで録音するというのは難しい。ともすると音がモヤモヤと響いてしまう上に、S/Nが悪く、とてもじゃないが聞けたものではなくなってしまう。
  しかし、そこはDSD 11.2MHzによる解像度の見せどころで、響きの中にも細かい演奏テクニックが聞こえてくる。最近のギターソロ音源には巨大なギターが存在し、高域から低域、そしてギターの箱鳴りが混ざらず別々の場所に定位するものもあるが、本アルバムはそうではなく、残響も合わせて全てが程良く混ざり、ギターがセンターに浮かぶように定位する。
  また、楽器とマイクとの距離を取ることによって、ピアニッシモからフォルテッシモにかける響きの移り変わりがはっきり味わえる。弾き方によってギターの教会による響きが奏者の感情を表すかのように変化する。低ノイズのDPA 4006TLを用いたり、Horus付属のマイクプリを使ったりとS/N比改善の対策をしており、悪いとまでは言い切れない。本アルバムのノイズはむしろホールの暗騒音を感じさせるもので、残響が空間に溶けていく様子が美しく捉えられている。演奏による残響の多様な表情を味わうのも音楽鑑賞、そしてオーディオの面白味の一つだ。
  本アルバムは、残響空間の妙に観点を置きつつも、Ricardo Gallenによる細かな表現も楽しめる。録音によってバランスは異なるものの、どちらも高い次元で両立出来るのはDSD 11.2MHzの大きな魅力の一つだ。

2015年2月18日水曜日

DSD256(11.2MHz)を聞こう 第3回:世界中の11.2MHzの音源紹介(ヴェクセルドミナンテ 蝶)

●レーベル:ヴェクセルドミナンテ
●アーティスト:ヴェクセルドミナンテ http://wechdomi.org/ (WorksにDSD 11.2MHz[DSD256]のサンプルあり)


●アルバム名:蝶
●配信URL:http://www.melonbooks.com/index.php?main_page=product_info&products_id=IT0000171244
●曲数:8曲 29分
●価格:540円
●ファイルサイズ:圧縮時4.2GB 展開時5.7GB
 (PCM16bit/44.1kHz,PCM 24bit/88.2kHz,DSD 11.2MHzの3種のフォーマットを含む)
 
 DSD11.2MHzを聞こう 第3回は、私が代表を務めるヴェクセルドミナンテのソロピアノアルバム「蝶」を紹介させていただこう。非商用音源ではあるものの、音楽作品としてリリースしたのは「蝶」が世界初だ。ちなみに世界初のDSD11.2MHz音源は1ビットオーディオコンソーシアムのものだと思われる。
 
 本アルバムは、メロンブックスDL(http://www.melonbooks.com/index.php?main_page=product_info&products_id=IT0000171244 )にて配信をしている。DLには恐らく1時間弱かかるのではないかと思う。圧縮には7zipを用いているので、解凍にも7zip(http://sevenzip.sourceforge.jp/)を使っていただけるとトラブルなく解凍できるはずだ。
 
 私が代表をしているヴェクセルドミナンテは、いわゆる同人音楽サークル(自費出版の個人グループ)としてオリジナル作品やゲーム曲等のアレンジ作品を出している。基本的にソロピアノだ。
 
 サークル発足の契機は、私が世にあふれるピアノ録音作品の音質に疑問を持ったところから始まる。
 私がなによりもピアノ録音で聞きたいのは場の空気感だ。特にホールに入った瞬間の言葉で言い表すことのできない静寂、緊張、そう言ったものが聞きたい。もちろん、場の空気感だけでは音楽作品としては成り立たないから、ピアノの音も余さず一緒に録音されていないといけない。しかし、世にある録音はどちらかが欠如しているように感じた。
 例えば、スピーカーの間に巨大なピアノが現れるもの。遥か彼方にピアノがあるもの。ハンマーのアタックばかり聞こえて、余韻が聞こえないもの。演奏している風景と演奏を録音を通して感じたいのに、どちらかしか聞こえない。最初は私の再生機器がおかしいのかと思い、色々買い換えたり試聴したりしたが根本的な解決には至らなかった。それなら自分で録るしかないと思った。
 ホールの空気感を得るためにはホールで録音しなくてはならない。体裁を取り繕うためにテイクの継ぎはぎしては切れ目で違和感を覚えるので一発録りしかない。私たちはホールでの一発録りをポリシーとして活動を始めた。「蝶」は茨城県つくば市のノバホールにて録音した。
 
 活動をはじめた当初はPCMで録音していたが、いまいちしっくりこなかった。肝心の場の空気感が録れないのだ。思い悩んでいると、DSDは編集できないが音は良いという評判を聞く。一発録りならぴったりだろうと思い、DSD2.8MHzでの録音をはじめた。
 DSD2.8MHzで録音してみると、確かに場の空気感がPCMよりも感じられた。ただ、今度は音が前に飛んでこないのだ。場の空気感ばかりが先行して、演奏そのものは希薄になってしまったと感じた。
 そんな中、ElectrArtのDSD11.2MHz録音機器貸し出しの記事(http://fpga.cool.coocan.jp/wordpress/?p=642)を見つけ、藁にもすがる思いで申し込んだ。家でスネアとトライアングルをテスト録音して再生してみると驚いた。音そのものの良さもさることながら、なんと部屋の大きさが分かるのだ。DSD2.8MHzで同じように録ってみると、音は鈍って聞こえるし、部屋の大きさまでは分からない。DSD11.2MHzならば、場の空気感と演奏を両立出来ると思い、ワンポイントステレオ、ノーエフェクトで臨んだのが本アルバムである。
 
 本アルバムには、同じ曲のPCM16bit/44.1kHz,PCM24bit/88.2kHz,DSD11.2MHzの計3種のフォーマットが入っており、PCMとDSD11.2MHzで録音編集プロセスが違う。

 DSD11.2MHzは写真で赤く囲ったマイクでのワンポイントステレオ録音で、PCMはそれ以外のマイクを用いたマルチマイク録音だ。DSD11.2MHzはヘッダデータを書き換える裏技を使い、KORG AudioGateにて曲の切り出しのみ行った。そのため、ダイナミックレンジが非常に広く、一般的な再生装置で聞くには難しい音源に仕上がっている。
 どちらが良いということではなく、ワンポイントステレオながらフォーカスがぼやけることなく録音されたDSD11.2MHzと、マルチマイクとノイズ除去等の後処理によって様々な環境で聞きやすくなったPCMそのどちらも満足しているのだが、いかがだろうか。

2014年10月7日火曜日

DSD256(11.2MHz)を聞こう 第2回:再生にまつわるアラカルト(WSDほか編・補遺)

 前回の無料音源の紹介に引き続き、今回は「DSD11.2MHzにまつわるアラカルト」ということでDSD11.2MHzファイルを再生する時の疑問を解決していこうと思う。
 
Q1. そもそもDSD11.2MHzってなんですか?DSD256とかQuad-DSDとか別の呼び名があるのはどうして?
A. ⊿Σ(デルタシグマ)変調方式の1bit/11.2896MHzでサンプリングするフォーマットのこと。
 DSD256はCDのサンプリング周波数44.1kHzに対して256倍であることの意。Quad-DSDはSACDのサンプリング周波数2.8224MHzに対して4倍であることの意。つまりDSD11.2MHz、DSD256、Quad-DSDは同じ意味である。
 (ちなみにMicro iDSDとNano iDSDは48kHz系の256倍にも対応している。Micro iDSDは512倍にも。)

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Q2. 1ビットオーディオコンソーシアムのDSD11.2MHz音源を聞きたいんだけど、どうすれば?
A-1. WSD形式は一般的なDSD再生ソフトでは読み取れないので、バイナリエディタでファイルを開いて、以下の文字列を先頭に挿入し、拡張子をdffに変えて保存する。
注:以下、バイナリエディタでの作業はファイルを壊す恐れがあります。必ず音源のバックアップを取ってから自己責任で行ってください。音源が聞けない等の問題が起こっても責任を取れません。

46 52 4D 38 00 00 00 00 3C 70 C8 E0 44 53 44 20 46 56 45 52 00 00 00 00 00 00 00 04 01 04 00 00 50 52 4F 50 00 00 00 00 00 00 00 4A 53 4E 44 20 46 53 20 20 00 00 00 00 00 00 00 04 00 AC 44 00 43 48 4E 4C 00 00 00 00 00 00 00 0A 00 02 53 4C 46 54 53 52 47 54 43 4D 50 52 00 00 00 00 00 00 00 14 44 53 44 20 0E 6E 6F 74 20 63 6F 6D 70 72 65 73 73 65 64 00 44 53 44 20 00 00 00 00 3C 70 C8 6E



↓


ここではバイナリエディタとして「DANDP Binary Editor」を使っている。ただし、DSD256の元ファイルが大きいため、PCのメモリが最低でも6GBないと厳しいので注意。
 また、再生時には非常に大きなポップノイズが入るので、あらかじめボリュームを絞っておいたほうが賢明だろう。
 
A-2. 以下のような手順で理解を進めれば、自分で補完できるようになるはずだ。

WSDのファイルフォーマット形式を理解する
 DSDには現在Sonyが提唱したDSF、PhilipsのDSDIFF、そして1ビットオーディオコンソーシアムのWSDがある。ファイルフォーマットは主に、そのファイルの自体を説明する「ヘッダ」とデータ本体に分けられる。それぞれファイル構造が異なるため、対応しているソフトでないとそれぞれのファイルは再生できない。
 1ビットオーディオコンソーシアムで公開しているDSD11.2MHz音源はWSDフォーマットであるものの、データ本体のみが入っておりヘッダが入っていない。そのため自身で補完する必要がある。補完するためにはWSDのデータ構造を理解する必要があるのだ。
 WSDの仕様書は1ビットオーディオコンソーシアムのサイトで公開されている。
  (1ビットオーディオコンソーシアム→1bit関連データ[1bit Data]→WSDフォーマット[WSDファイル仕様書])
 同様にDSF、DSDIFFの仕様書は以下で参照できる。
 

また、筆者の個人的なブログで書いた記事も参考になるかもしれない。


 
WSDとDSDIFFのデータ本体のフォーマットが同じであると気づく!
 WSDに対応している再生ソフトは少ない。そのため、本来であれば再生するためにはWSDのヘッダデータを入れ、WSD対応のDSD変換ソフトに読み込ませ、DSDIFFやDSFで書き出す必要がある。(更に言えばWSD対応のDSD変換ソフトはKORG AudioGateしかなく、AudioGateはDSD5.6MHzまでしか対応していないため、DSD11.2MHzではなくDSD5.6MHzのヘッダデータを入れ、書き出したあと再度DSD11.2MHzのヘッダデータを入れる必要がある。)
 しかし、各ファイルフォーマットの構造を見ると、データ本体の構造がDSDIFFとWSDでは、Big endian方式の各Ch1バイト毎で同じと気づくはずだ。つまり、DSDIFFのヘッダデータを入れればDSDIFFとして扱えるということだ。

DSDIFFのヘッダデータを書き込む
 A1を参考に書き込めばDSD11.2MHzのDSDIFFファイルとして扱えるようになる。

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Q3. LH Labsで公開されている2LのDSD11.2MHzの音源を聞きたいんだけど、どうすればいい?
A.以下のようにバイナリエディタで、先頭からアドレス71Eまでヘッダデータを削除すれば再生できる。


↓






以下のようになればOK。




以上、いったい何を言ってるのかわからないという人は試さない方がいい。お気をつけ下さい。


2014年10月5日日曜日

DSD256(11.2MHz)を聞こう 第1回:世界中の11.2MHzの音源紹介(無料音源編)

この連載記事を担当する@serierilです。ヴェクセルドミナンテという同人音楽サークルの代表として、昨年末からDSD11.2MHzの音源をリリースしています。ときにはiFi Audioのイベント時(ヘッドフォン祭、ポタフェス等)の製品説明スタッフでもあります。

 自分自身は録音を通じてDSD11.2MHzの魅力に取りつかれていて、日ごろからDSD11.2MHzの情報を調べているので、それを共有できればと思っています。なにかご意見がありましたらTwitterのアカウントまでお願いします。

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 音楽のデジタルフォーマットは1972年に日本コロムビアが開発した最初のデジタルレコーダー(13bit/47.25kHz)から年々着実に進化を重ねてきた。CDの16bit/44.1kHzやDVD-Audioの24bit/192kHz、SACDのDSD 2.8MHzを経て、約40年経った今、時代の最先端はDSD256=11.2MHzでの収録である。
 今まではCDやSACD等といった物理メディアのフォーマットがあったため、より高いサンプリングレート/ビット深度に対応した録音機器が出て録音したとしても、最終的には物理メディアのフォーマットに合わせる必要があった。しかし、ファイルベースで行われるハイレゾ配信では、物理メディアのフォーマットに縛られることなくマスターのフォーマットを直に聞くことができる。

 DSD256(11.2MHz)対応機器はあっても音源がないじゃないかと思われる方は多いと思う。DSD 11.2MHzは2013年に商用録音機器が出たばかりな上に、DSDベースで編集が出来ない※という問題点があり、現在入手可能な音源は確かに少ない。しかし、世界中を探すと無いわけではない。
 手始めに第1回の今回は、無料音源編ということで各レーベルがサンプルとして出しているDSD11.2MHz音源を紹介する。また補遺として、DSD512のアップサンプリング方法やそれに伴うDSDファイルのヘッダの書き換え等もご紹介しようと思う。

※2013年にリリースされたDSD11.2MHzで録音可能なDAWソフト、Merging PyramixはDSDベースで録音はできても編集ができない。編集する場合はDXDに変換し編集した後、DSD 11.2MHzに変換するか、もしくはアナログで出して編集した後、再度DSD 11.2MHzで録音することが多い。

1. Just Listen / Just Listen 1 - compilation  (要Native DSD Musicの会員登録)
 Just ListenはDSDネイティブ音源を配信しているNativeDSDに参加しているレーベルから、代表的なサンプル音源を集めたアルバム。DSD 11.2MHzの音源はトラック1、2、5、6の4曲ある。
 トラック1、2はスペインのEudora Recordsのソル:「ギターのための練習曲」Op.6-9, 同Op.35-22。これら2曲はフェードイン&アウトのみDXDによる編集がなされている。5chサラウンド(フロントLR、センター、リアLR)の音源もある。
 トラック5、6はChannel Classicsのマーラー:交響曲第1番のフィナーレ部分。SACDでもすでに発売済みの音源で、録音時のフォーマットはGrimm AD1によるDSD64(2.8MHz)。トラック5はPyramix、トラック6はHQ Playerによりアップコンバートされている。

2. Nidarosdomens jentekor & TrondheimSolistene / MAGNIFICAT Et misericordia (会員登録の必要あり)
2Lの音源をLH Labsが1曲サンプルとして公開している。元のフォーマットはDXDでPyramixによりDSD11.2MHzにアップコンバートされている。ただし、DSD11.2MHzの音源のみPyramixのデータが入っており再生できないため取り除く必要がある。方法は次回掲載予定の補遺で詳しく説明するつもり。

3. ヴェクセルドミナンテ  (WorksにDSD 11.2MHz[DSD256]のサンプルあり)
 自分自身で手がけた作品なので申し訳ないが、一応無料音源なので、絶好の宣伝機会だと割り切って紹介する。サークル発足当時からホールでの一発録りをしているので、DSD11.2MHzになっても前と変わらない方法で録音している。
 ホールで録音したオリジナルのピアノ曲が2曲、クラリネット+ピアノ曲が2曲、サンプルとして公開中。録音にはElectrArt製DSD 11.2MHz録音機器を使い、曲の切り出し以外は無編集。

4. 1ビットオーディオコンソーシアム  (1bit関連データ[1bit Data]→1ビットアワード受賞作品→2006年"ストラディバリソサエティのバイオリン(クリストフ・バラティ)" 永野桃子, 大場治子)
 早稲田大学,シャープ,パイオニア主催の1ビットオーディオコンソーシアムではバイオリン曲が1曲公開されている。録音にはオリジナルの録音機器を使用。ただし、このデータにはソフトウェアがファイルを認識するためのヘッダデータと呼ばれるデータが抜けているため、自分で補完する必要がある。これも補完方法は補遺編で詳しく説明する。

5. NetAudio誌Vol.15
TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND / Visible Invisible
 (雑誌が1300円)
 TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDによるDSD 11.2MHz楽曲がNetAudio誌に付録としてついている。ボーカル、ベースがエフェクトを追加するためPCM録音であるものの、他はシンセサイザも含めてオールアナログ。編集にはフォーカスライトの50kHzまでの特性を持ったミキサーをはじめとしたアナログ機器を用いている。記事に詳細なレポートがある。