2017年10月18日水曜日

新製品のお知らせ nano iDSD BL

以下の新製品の発売が決定いたしました。


  • 製品名:nano iDSD Black Label(BL)
  • ジャンル:DAC内蔵ポータブルヘッドホンアンプ
  • バーコード:5081313081844
  • 標準的な小売価格:27,000円(税別)
  • 発売日:11月3日(金・祝)​


iFiオーディオのnano iDSD Black Labelは、日本をはじめ世界的ベストセラーとなったオリジナルnano iDSDの直系の子孫です。
上位機micro iDSD BLと同様に、すばらしいマットブラック仕上げで、細部にバーントオレンジを使っています。内部もほぼ同じですが、今回は1)これまでのRCA出力端子を3.5mmのラインアウトにする 2)各種OTGケーブルを直に刺せるUSB-A端子オスの採用 3)出っ張りをなくした新デザインなど、携帯性はこちらの方が優れています。スマートフォンを接続するだけで、ハイレゾ音源やSpotifyなどのストリーミングサービスをかつてないレベルの音質で体験することができます。もちろんPCやMACからの接続も可能です。X-MOSの制御ソフトを独自開発できるiFiの技術により、ASIOドライバーだけでなく標準ドライバーであってもDoPでも11.2MHzの再生が可能なため、他のDACのようにDoPだけDSD再生スペックが落ちることがありません。この機能は標準ドライバーを採用されることが多いラズパイ・オーディオでも便利に使われています。



新製品発表会をヘッドフォン祭で実施
発売当日に開催されるヘッドフォン祭において、以下の通り新製品発表会を実施いたします。

  • 中野サンプラザ15Fリーフルーム・トップウイングCSGブース
  • 11月3日(金・祝)11:30〜12:30 トップウイング総合新製品&新ブランド発表会(先日ご案内したLotoo新製品もこの発表会で一緒にご紹介します)

なお、前日2日にはこの製品のローンチパーティーがロンドンでも開催されます。

特徴
MQA対応
話題のMQAに対応したiFi初の製品として、クラスを超えています。現時点で世界で最も小さく最もリーズナブルなMQA対応製品です。Nano iDSD Black Labelは、iFi製品として初めてMQAに対応し、その革命に参入しています。



ヘッドフォン端子にiFi audio独自の技術・Qバランスを採用
iFiが考案した新しいアナログシステムによって、2つ搭載されたヘッドフォン端子から最高のバランス接続で音楽を聴くことができます。四極TRRS端子をもつヘッドフォン(マイクなし)と組み合わせて使用し、最高のバランス接続を引き出してください。負荷によってヘッドフォンのチャンネル・セパレーションが変化することがありません。一般的な三極TRS端子も共有して使うことができます。
Qバランスの詳細はこちら→ http://ifi-audio-jp.blogspot.jp/2017/10/nano-idsd-bl35mmtrrsq.html



USB端子
上級機micro iDSD同様、USB Aタイプを採用
OTGケーブル*がアダプターなしで使えます。micro iDSDでは採用されていましたが、nanoシリーズでは初めてです。

*iOS:Lightning - USBカメラアダプタ http://u0u0.net/Gsnz
*Android OS:アンドロイドOTGケーブル https://www.sanwa.co.jp/seihin_joho/otg/index.html(一例)
*ソニー・ハイレゾウォークマン:オーディオ出力用USB変換ケーブル http://www.sony.jp/walkman/products/WMC-NWH10/

ヘッドフォン端子の出力強化
32Ω285mW(iPhone6の10倍)のパワーがあるので、600Ωのヘッドフォンも難なくドライブすることができます。​

3.5mmラウンアウト搭載
3.5mmのラインアウト端子により、アクティブスピーカーに接続するなどさまざまな活用法が考えられます。

ゼロ・ジッター・ライト ZeroJitter Lite®
低ジッターのクリスタル・クロック - 44.1kHzと48kHzをベースにオーディオ用に独立したクリスタル・オシレーションを実現。AMRの技術を基盤にしており、iFiのiPurifierが内蔵されています。



駆動時間10時間超
外出時は、リチウムポリマー電池によって、nano iDSD Black Labelは10時間ノンストップで音楽を楽しむことができます。​​


仕様

  • 入力(背面):USB2.0 Type A “OTG” オス
  • 出力(背面):3.5mmステレオミニ 固定レベルラインアウト、
  • デジタルフィルター:2種類
  • 出力(前面):3.5mmステレオミニ x 2(ダイレクト出力、iEMatch®搭載出力)
  • DAC:Bit-Perfect DSD/DXD変換、デジタルフィルター切り替え可能PCM変換、MQAに対応したBurr Brown DSD,DXD, PCM DAC
  • クロック:低ジッタークリスタルクロック
  • 対応フォーマット: DSD 256/128/64/12.4/11.2/6.2/5.6/3.1/2.8MHz
  • DXD 384/352.8kHz
  • PCM 384/352.8/192/176.4/96/88.2/48/44.1kHz
  • MQA
  • PCM:Listen(過渡特性を最適化した最小位相フィルター)
  • Measure(周波数特性を最適化したフィルター)
  • DSD:Listen(過渡特性を最適化した広帯域フィルター)
  • Measure(帯域外ノイズを抑制したフィルター)
  • DXD:Bit-Perfect変換
  • MQA:MQAフィルター
  • ヘッドフォンアンプ:デュアルモノ 2x285mW ノーカップリングダイレクトドライブ
  • ボリュームコントロール:アナログ 2回路 - 電源スイッチ機能付ポテンションメーター、トラッキングエラー2dB以下
  • (40dB-0dB減衰時)
  • ヘッドフォン接続:シングルエンドと互換性を持つ3.5mmTRRSバランス
  • ダイナミックレンジ(ライン出力):109dB(A)以上
  • THD+N(0dBFS ライン出力):0.004%以下
  • 出力電圧(ダイレクトアウト):3.5V(600Ω負荷時)以上
  • 2.9V(30Ω負荷時)以上
  • 1.7V(15Ω負荷時)以上
  • 出力電圧(ライン出力):2.15V(±0.05V)
  • 出力インピーダンス:1Ω以下(ダイレクトアウト)4Ω以下(iEMatch)240Ω以下(ライン出力)
  • チャンネルセパレーション:99dB(1kHz)以上
  • ジッター:計測限界以下
  • サイズ:96(奥行き) x 64(幅) x 25.5(高さ) mm
  • 重量:139g
  • 保証期間:ご購入後1年

2017年10月16日月曜日

nano iDSD BLの3.5mmTRRS四極接続「Sバランス」

Tech Notes of nano iDSD Black Label

Balanced but not as we know it


nano iDSDに採用されたバランス接続ですが、私たちが知っているこれまでのバランス接続ではありません。
これを「バランス接続」と呼ぶことはできません。
理由は後述しますが、私たちはこれを「Sバランス(S-Balanced)*」と呼ぶことにしました。
*当初「Qバランス」という名称で当初ご案内しましたが変更させていただきます。

PART 1. ACTIVELY GOES WHERE NONE HAVE GONE BEFORE
これまでだれも手を付けなかった部分に積極的に取り組みました


The new nano iDSD Black Label sports a dual-mono headphone amplifier with 3.5mm TRRS balanced wiring all the way to the amplifier.
新しいnano iDSD Black Labelはデュアル・モノ・ヘッドフォンアンプという贅沢な仕様になっています。3.5mmTRRSバランス接続でアンプまで信号を伝送するのです。

This S-Balanced technology means that despite the amplifier being single-ended, this delivers all the benefits of balanced wiring.
この「S-バランス」テクノロジーは、たとえアンプがシングルエンド仕様でも、バランス接続の利点が得られるということを意味します。

Why did we feel the need to develop this? Let’s take a look.
なぜこれを開発する必要があると、私たちは感じたのでしょう?
以下の概説をご覧下さい


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The problem with TRS connected headphones:TRS接続ヘッドフォンの問題点


The left and right headphone shares a single ground connection. This causes crosstalk and extra distortion. The lower the impedance of the headphone, the worse the problem. IEMs, in particular, are heavily affected.
左右のヘッドフォンが1本のアース接続を共有しています。これがクロストークと歪みの増加の原因になります。ヘッドフォンのインピーダンスが低ければ低いほど、問題は悪化します。特にIEM(インイヤーモニター)はその影響を大きく受けます。

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Balanced connection (can be TRRS though here shown with XLR):一般的なバランス接続(ここではXLRで示されていますが、TRRSも同じです):


Left and right ‘negative’ are separate, the negative connection runs all the way to the separate amplifiers and no crosstalk/distortion happens.
左右の「-」が分離しており、「-」は分離したままアンプに送られるので、クロストークや歪みが発生しません。

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Balanced output Amp:バランス出力アンプ: 



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PART 2. IFI IDSD NANO BLACK LABEL SOLUTION
iFi nano iDSD Black Labelの解決策 


No second amplifier is used, neither is extra signal nor noise, nor distortion added, perfect for sensitive IEMs. Further including the iEMatch technology extends compatibility with ultra-sensitive IEMs. A dedicated negative wire per channel all the way to each channel’s amplifier’s star-ground makes sure there is no crosstalk between the channels.
第2アンプを使わないので、信号もノイズも増えることがなく、歪みも加わりません。感度の高いIEMには完璧な方式です。さらに、iEMatchを組み込むことで、超高感度なIEMにも対応します。各チャンネルにはチャンネルごとの専用の「-」ワイヤーが装備されており、この「スターグラウンド」方式(グラウンドがそれぞれ独立している)によって、チャンネル間のクロストークが生じることがありません。

Plugging in unbalanced headphones with a TRS connector instead of TRRS will cause zero issues and, in fact, will still cut crosstalk by 50%, compared to using a TRS socket.
TRRSコネクターではなくTRSコネクターの付いたアンバランス・ヘッドフォンを接続しても問題はなく、しかもTRSソケットを使った場合に比べて、クロストークが半分に減少します。

All the benefits of balanced, with none of the drawbacks. Perfection!
バランス接続の有利な点をすべて備えながら、短所がまったくないのです。完璧です!


*Sバランスではマイク接続用の4極3.5mmは使えませんのでご注意ください。


Sバランスに接続した場合のクロストーク測定値