2020年7月22日水曜日

横幅70cmのミニシアター ~ ネトフリを省スペース・小音量で24時間存分に楽しむために ZEN DAC+JBL 104大活用

ZEN DACの使いこなしエッセイをTWCSGスタッフMr.Sが執筆。ご参考になれば幸いです。


70cm。こたつテーブルの一辺のサイズ〜JBL104-BTWとZEN DAC


このどちらのお宅にも存在するスペースに、小さな小さな自分だけの映画館を作ることができるんです。小さな画面、小さな音でも想像を超えるスケール感で観れるのがそのポイント。
早速レシピの解説といきましょう。使うのは普段使いのiPad。もちろんiPhoneやAndroidのスマートフォンでもOK、お手元のものをご活用ください。そこにスピーカーとUSC DACをちょい足ししてみましょう。ちょうどこんな感じです。


「どうすればいつものテーブルの上なんかに小さな映画館ができちゃうのかしら?」

今回チョイスしてみたモデルは以下の機器です。

  1. Bluetooth対応パワードスピーカー:JBL Professional 104-BTW-Y3
  2. USBDAC:iFi audio ZEN DAC

ミニシアターの核となる大切なスピーカーは、お若いアクティブな皆さんならばクラブやライブ会場のPAシステムで、ベテランな人生域を歩まれる皆さんならば往年のジャズ喫茶でそれぞれお馴染み、信頼信用のJBLマーク。どんな世代に属していてもきっとどこかで接したことがあるであろう、いつもみんなが気づかぬうちに楽しんじゃっているジェネレーションギャップを超えた名門ブランドです。

「スピーカー、少し大きいんじゃない?そもそもウチは大きな音が出せないんだけど」

これはいいご指摘。ハイ、そうなんです。小さな音で聴かなければいけないからこそ、それなりの大きさのスピーカーを選んでいます。ここはひとつめのポイント。手のひらに乗るような極小のスピーカーって、実は細かい音が聴き取りにくいんですね。聴き取りにくいからボリュームを上げてみると、今度は割れたり歪んでしまって音として成立しなくなってしまう。つまり、ボリュームノブによる適切な音量調整域が逆に狭くなってしまうんです。小さく且つ適切な音量でしっかりとすべての音を聴き取りたいから、あえてのこのサイズ。でも実際に設置してみるとそんなに大きくはないって気が付いてもらえるはず。でないと、こたつテーブルサイズの上にマイシアターは作れませんから(笑)

そして、もうひとつのポイント。小型のUSBDACというオーディオ機器も併せて使いましょう。

USBDACとは、iPadやiPhone/スマートフォン、パソコンのサウンドクオリティを劇的に改善してくれる魔法の箱。アーモンドチョコレートの箱よりちょっと小さい程度の大きさです。

適切なサイズのスピーカーとUSBDACの相乗効果によって、小さな音量の時の聴き取りやすさが段違いに高まるんですよ。先ほども触れましたがもう一回。ボリュームをついつい上げてしまう理由って実は単純。小さい音や細かい音が聴き取りにくくって、ストーリーにどうにも付いていけなくなるのでついつい上げてしまうんです。音を専門にデータ処理するUSBDACって、タブレットやスマホ、パソコン自身の中でサウンドを処理するときよりもノイズの影響を受けにくいから音のメリハリはハッキリしますし、細かい音の処理も得意なんです。よって、深夜に小音量で存分に映画やアニメを楽しむのには持ってこいの「頼れるオーディオ機器」

おススメはiFi audio ZEN DAC。音のうるさ型、世界のオーディオマニアの支持も厚いイギリスの製品です。




「ちょっとよいスピーカーやオーディオで観る映画やアニメって、どんな感じなの?」
「サウンドのクオリティアップは大画面化と比べて価値があるのかしら?」


映画やアニメのサウンドの創り込みってスゴイですね。あらためて感心したわけです。よく考えてみますと、映画やアニメの劇中サウンドは“オリジナルサウンドトラック”という名称で、立派な音楽ジャンルとして成立してますものね。

緊迫する場面、バックグランドのサウンドって作品表現の上でどのように描かれるのか気が付いていらっしゃいますか?ストーリーにおける伏線。これから先を暗示するような場面では左右方向に細長く、そして奥行きを持ちながら限りなく単調に流れていきます。次いで突如としてやってくるストーリーが大きく動き出す見せ場のシーン。ストーリーの重要パートです。差し掛かるや否や画面の上下前後の方向へとサウンドが激しく揺さぶりをかけてきます。いつもはさして気にもしてなかったバックグラウンドのサウンドを背景に、登場人物の声や吐息、そしてため息が時折浮かび上がるよう。臨場感ありきのストーリー。そしてそこに生きるキャラクターたち。こんな演出に気が付くと、キャラクターに命を吹き込む俳優さんや声優さんの声に魅かれる方が多いというのも、なるほど確かに納得です。「天才だわ、この作品を手掛けたひとって」そんなひと言もきっと囁きたくなろうもの。

ほんの横幅70cm足らずのホームシアターだって、あの作品からそのくらいのレベルでちゃんと感じられるんです。臨場感って、サウンドから受ける影響のほうが実は大きいものだから。

ちなみにこのシステムならば細かい音も丁寧に漏らさず耳に届けてくれますから、深夜の小さな音でも大丈夫。爆音? 有り得ません(笑)この組み合わせならばそんな必要はなし。画面サイズを超えるスケール感。映画館的サウンドの充実は作品に没入させてくれる魔法と言えましょう。きっとオールナイトで無我夢中になってるはず。気が付くと既に日が昇っているかもしれませんね(笑)

それでも「今日はどうしてもヘッドフォンを使いたいんだ」というときだってお任せを。ZEN DACに搭載されるヘッドフォンアンプならば、ビギナー向けからスーパーマニア向けに至る、今巷に存在する有線タイプのヘッドフォンやイヤフォンに対して満遍なく適合します。これも素晴らしいサウンドなんですよ。

さあ、いつものテーブルの上をプライベートミニシアターに。NETFLIXなどのサブスク配信で映画やアニメをいつも以上に楽しんでください。


より素晴らしく使いこなすためのTIPSをご紹介

まずはその0。スピーカーの下に台座としてコースターを敷いてみましょう。これ、一丁目一番地なので、あえて“その0” で。

スピーカーの下に敷く台座をして、オーディオの世界ではインシュレーターという言葉で呼んでいるのですが、その目的はスピーカーの振動を机や床に響かせないようにするためのもの。スピーカー以外の余計な音をとっても低減させることができますので音が濁らず、また床を伝う騒音も抑えます。ホントにいいことづくめ。一般家庭でスピーカーを使うときのマストアイテム。


このインシュレーター、オーディオマニア向けには目ん玉が飛び出るほどのプライスで売っている専用製品もあるのですが、ここでそんなマニア向け製品を選ぶのは野暮というもの。上の画像では、IKEAのコルクコースターをひっくり返してその上にスピーカーを置いています。これで十二分に音がよりハッキリクッキリ、騒音になりそうなテーブルの振動だってとっても抑えられています。10cm程度の直系のものであれば、コルクに限らず木製でもゴム製でも効果があるはずです。IKEAに限らず、ニトリや100均にだってありますから、これは是非活用してみてください。あるとないじゃ全然違いますよ。

その1。iPadとUSBDACはあえて有線で接続してみましょう。

「え?このスピーカーってBluetoothが使えるじゃない?」

ええ、そうなんです。でも、ここはあえての有線。お料理でいうところの隠し味。iPadであればAppleさんの純正カメラコネクションキットを介して普通のUSBケーブルで結線します。するとどうでしょう!声が効果音が、踊るような躍動感にあふれます。

一般的なBluetooth接続でのサウンドモニターにありがちな遅延もありません。遅延とは、「画面に映る登場人物の口の動きに比べて、実際の音が少し遅れて聴こえるちぐはぐな状態」を言います。今、Bluetoothでちょっと議論になっているホットな問題でもあります。映画やアニメ、それでは具合が悪いですよね。そこは古式ゆかしい王道の有線接続で根本的に対策を施しましょう。



その2。USBDACには専用の別売ACアダプターを使って単独に電源供給を行いましょう。

今回選んだZEN DACは、USBの接続元がパソコンであった場合はUSBバスパワーという仕組みでパソコンから電源供給を受けることが出来ます。これはデスクトップパソコンでもノート型パソコンでも同じです。ですが、iPadやスマホなどのポータブルデバイスは、自身のバッテリー持続時間を維持するために、USBDACのような外部USB機器に対しては十分な電源供給能力を持っていないのです。

そこで裏ワザ。iPadやスマホでもZEN DACを動かせるようにするために、ZEN DAC専用のiPower5Vという名称の別売ACアダプターを併用しましょう。サウンドをUSBDACという専用の機器で処理する効果に加えて、サウンド処理の専用電源化でさらに高音質化を図ることができます。この裏ワザはもちろんパソコンでも使うことが出来ます。母艦がパソコンの方にも絶対有利に作用しますので、iPower5VはZEN DACを使うときのマストアイテムですよ。



その3。USBDACとスピーカーの音声ケーブルは、ぜひともバランス接続で。

さあ、ここがこのシステムが本丸です。世間に幾多数多存在するパワードスピーカーやUSBDACの中から、何故 JBL Professional 104-BTW-Y3とiFi audio ZEN DACをペアとして設定したのか? それが、「バランス接続」というキーワードです。

ちょっと難しいお話になりますが、ざっとこのバランス接続についてご案内しておきましょう。私たちが家庭環境においてオーディオ機器を使用するときの接続の仕組みは、通常アンバランス接続と呼ばれる方式を利用しています。この仕組みで代表的なものは、端子が赤白に彩られた通称「ピンプラグのケーブル」を使用する形。対して、バランス接続という仕組みは形状も違い、電気的な仕掛けで工夫すら凝らしておりますので、一般的なアンバランス接続よりもノイズに対してとても強い特性を持っています。とってもノイズに強いということは、外乱に負けてしまいそうな小さくて細かいサウンドもより明瞭に伝送できるのでした。繊細な音への配慮は、ストーリーや設定に基づく作品のディテール表現やリアリティの追求にとって決して欠く事のできない大切な要素というわけです。その効果たるや絶大でして、作品に対する表現の豊かさは一般家庭向けのアンバランス接続で感じ取れるレベルとは比較にすらなりません。

よって、音楽や映画、アニメを制作する折に使われる録音スタジオでも、このバランス接続が採用されています。要するに、皆さんが心を打たれたあの作品の俳優さんや声優さんに使われたマイクも、あのバンドのレコーディングも、本をただせば全部バランス接続だった、と言っても過言ではないのであります。

さて、JBL Professional 104-BTW-Y3とiFi audio ZEN DACのペアの話に戻りましょう。

この両モデル、そんなバランス接続に対応しているのです。元々業務用オーディオ機器で一般的な規格ですので、これが家庭向けのオーディオ機器に採用されている事例は、スーパーマニア向けのコンシューマオーディオ機器くらいにしかありません。せっかくこの組み合わせで使うのならば、接続は是非バランス接続でいきたいですよね。この組み合わせがそこらに転がるシステムとはちょいと違ってるんですよ、という証と言えましょう。

このシステムにてバランス接続を行うための専用ケーブルは別売でちゃんと用意されておりまして、それが、TOPWINGブランドでリリースされている「White Barrel 4.4 TRSケーブル」。少々値の張るオプションではありますが、その効果といえば前述のとおり絶大。あの声優さんや俳優さん、バンドメンバーがレコーディングに使ったであろう仕組みと同じ接続をして、お気に入りの作品を再鑑賞してみましょう。改めて感じ入る感慨や感嘆、新たな発見、あなたしか気が付かないとても楽しいツボが隠れているかもしれませんよ。






「お片付けしたい時もあるんですけど、そんなときはどうしたらいいのかしら?」

部屋の中心に置かれているテーブル。それって生活の中で休みなく使い続けている家具ですよね。お客さんがやってくればテーブルを全面に囲んでお食事を・・・なんてこともきっとあるでしょう。そんなときはテーブルの上をきれいサッパリにしておかねばなりませんよね? とてもミニシアターの機材を置きっぱなしにしておく、なんて出来ないはず。では、機材一式を解体してお部屋の棚にまるっと片付けてしまいましょう。

ケーブルやiPadも含めてミニシアターの機材一式を解体して棚にしまうとこんな感じになります。



画像例のとおり、一辺35cmのキューブボックスに収納しきってまだ隙間が残っていますから、普通のカラーボックスのひと棚ですと2/3にも満たない程度でしっかり収まると思います。これならば、お客さんとテーブルの上でお食事、なんていうときにはササっと簡単に片づけてしまうことが出来ますね。

限られたお部屋のスペースは有効利用しなきゃいけません。このシステムならば手間取ることなし。どうぞご安心を。


いい時代になりました。テーブルの上でプライベートミニシアターがリーズナブルに実現できるなんて

世はコンテンツ視聴と言えば「サブスクリプション」。サブスクのお手軽さは映画やアニメ、音楽の楽しみ方を根本的に変えてしまいました。劇的な勢いによるテレワークを例としたオンライン化の浸透に伴って、個々人の中のプライベートと社会の接点すらその密度が変わろうともしています。

そんな背景から、プライベートな趣味にも仕事にも通信を伴うwebサービスの利用や関連デバイスの導入はハードルがどんどん下がっていく方角へと向くわけですが、浸透するに連れて、段々とその質が問われるようになるのだろうと思うのです。

「手軽さと質」はいつの時代もトレードオフな関係であること、長い時の流れを見据えてもそこに間違いはありません。ですので、極端に手軽さへ振った先を思いますと、それは「人の感性をより良く満たす」という当たり前が薄れていくベクトルやもしれない、というわけであります。

大切なことはバランス。合理的で便利だけれども、手の掛かるものが感じさせてくれる充実感だってしっかり満たしてくれること。今回ご提案しますシステムは、そのバランスをきっと叶えてくれるものと信じています。

このシステムは映画やアニメ、音楽の鑑賞だけにしか利用価値を見出せない様な用途限定されたものではありません。特に「人の発する言葉の表現」が大変素晴らしいシステムですから、英語をはじめとするオンライン語学教室での講師の発音をしっかり両耳で聴き取るようなお習い事利用やZOOMなどのオンライン会議ツールでのリアルタイム音声モニターとしてもハイレベル・ハイクオリティに対応できる、多用途適用可能なユーティリティハードウェアでもあります。

最近リーズナブルにはなったのだけれど、あまり音の良くない製品の多い大型テレビ用の音声モニターとしてリビングに置くことだってできましょう。そういう使い方ならば、なにもパーソナルなシステムに留まらず、ファミリー共有のBluetooth対応ミニオーディオシステムとしても華麗に飛躍、変身いたします。



今の時代だからこそ存在すべき、新しいスタイルに適合したマルチパーパス・オーディオシステム。突如到来してしまった、ボーダーレス&タイムレス、そしてエリアレスなライフスタイルへの適性は抜群だと思うのです。

では、これからの日々のさらなる充実をお祈りいたします。


参考情報その1:見本写真の商品構成一覧です。



<本体>

  • Bluetooth対応パワードスピーカー:JBL Professional 104-BTW-Y3(電源/スピーカーケーブル付属)= オープンプライス ※標準的な売価例 ¥22,000~¥23,000程度(税別)=
  • USBDAC:iFi audio ZENDAC(USBケーブル付属)= 標準小売価格 ¥18,000(税別)=


<メーカーオプション類>

  • USBDAC用ACアダプター:iFi audio iPower5V = 標準小売価格 ¥6,800(税別)=
  • iPad/iPhone向USB接続用キット:Apple Lightning-USBカメラアダプター (Androidの場合はこの代わりにOTGケーブルを利用) = Apple Storeオンライン売価 ¥2,800(税別)=  ※OTGケーブルの場合:市中売価例 ¥700程度
  • 当該構成向バランス接続用スペシャル音声ケーブル:White Barrel 4.4TRS = 標準小売価格 ¥18,000(税別)=


<ちょい足しアクセサリー類>

  • スピーカー用インシュレーター(台座/直径10cm程度):IKEA コルクコースター 2ピース    = IKEAオンラインストア 売価例 ¥200程度(2ピース)=
  • iPad用スタンド:ダイソー 木製イーゼルスタンド  = 市中売価例 ¥100 ~ ¥300程度 =
  • サウンド反射抑制・テーブル振動抑制目的のテーブルクロス:一般的なテーブルクロス  = 市中売価例 ¥ 800〜程度 =

<設置スペース>

  • 横幅70cm・奥行15cm程度の占有面積にてワーキングテーブル上に並べてシステムを配置



参考情報その2:スピーカー用横置き台座について

JBL Professional 104-BTW-Y3は、スピーカーエンクロージャー側面(筐体側面)がラウンド加工されていますので、そのままでは横置きにすることが出来ません。この場合も画像例のようなちょい足しグッズを流用することで、横置き台座として使うことが出来ます。画像を参考に、Amazonや業務用食器専門ショップを探してみてください。一般的なものですので比較的容易に見つけることが出来ると思います。

<ちょい足しアクセサリー>
・スピーカー用横置き台座(長さ7~9cm程度):一般商品名 ナイフレスト(シルバーレスト)
 ※いわゆるナイフ・フォーク置きです。
   = Amazon売価例 ¥500程度(1個)=




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