2014年5月7日水曜日

nano iDSD、nano iCANボリューム操作時のZipper Noise(ジッパーノイズ)について


ユーザーの方から他にいくつかnano iDSDのボリュームに関してご指摘のあった、操作時のノイズの点についてiFI=AMRの主任エンジニア、トレステン・レッシュ博士に質問したところ、回答がありましたので、以下の通りお伝えします。

Q: ボリュームを早く回すとチリチリとしたノイズが聞こえますがなぜですか?
A: これは英語でZipper Noise(ジッパーノイズ)と呼ばれるもので、一般的に知られているボリュームの経年劣化による「ガリノイズ」ではありません。
これが出る原因は、nano iDSDやnano iCANが最高の音質を求めてDCカップリングを使っているからです。ステップ式のボリュームコントロールとこれを一緒に用いると、どうしても多少のzipper noiseが出ることになってしまいます。ただ、ステップ式のアッテネーターでも、急速にボリュームコントロールを回すと、この現象が生じます。ジッパー・ノイズは決して故障ではありませんし、むしろ経年劣化にも強いので、安心して使って下さい。

とのことでした。
その他、nano iDSDのボリュームに関する詳細については以下のエントリーをご覧ください。

nanoシリーズのボリュームについて(1)ボリュームの方式について
nanoシリーズのボリュームについて(2)nano iDSDに採用されたボリューム技術について

この項については、いくつか補足の技術説明を加筆する予定です。

2014年4月30日水曜日

iFI nano iDSDのボリューム技術について iFI nano iDSD Volume Control Explained (technical version)

お問い合わせを幾つかいただいていたnano iDSDのボリュームについてのiFI本社の公式見解です。(その2 nano iDSDに採用されたボリューム技術について)

iFI nano iDSD
1: Software Controlled Analogue Volume Control
To achieve the most transparent and highest resolution sound, the analogue volume control used inside the nano iDSD is a software-controlled Stepped Volume Control.

  • Pros: most transparent, highest resolution, one of the best volume controls available.
  • Cons: expensive, has finite steps.

A Stepped Volume Control used to look like the one on the right and cost a couple hundred of dollars each.  Hence, only super high-end components are capable of employing them.
But nowadays the most advance Stepped Volume Control is done via many tiny, high-quality resistor arrays inside a special purpose IC, and then controlled via software.


1. ソフトウェアで制御されたアナログ・ボリュームコントロール
最高に透明な、最高の解像度のサウンドを実現するために、nano iDSDに採用されているアナログ・ボリュームコントロールは、ソフトウェアで制御されたステップ式ボリュームコントロールです。

  • メリット:最高に透明で、最高の解像度を有する。現在入手できる最良のボリュームコントロールのひとつである。
  • デメリット:高価で、ステップに限りがある。

ステップ式ボリュームコントロールは、昔は右図のような形体で、1個が200~300ドルくらいしました。したがって、これを使うことができるのは、超ハイエンドのコンポーネントに限られていたのです。しかし今日では、特別な目的を持ったICの内部に、小さくて高品質な抵抗群を組み込み、それをソフトウェアで制御することによって、最高に高度なステップ式ボリュームコントロールが実現しています。

2: The Optimum Volume Control Position
The Stepped Volume Control used inside the nano iDSD has 64 steps.  The steps are arranged as follow:  
2. 最高のボリュームコントロール・ポジション(ボリューム位置)
nano iDSDに採用されているステップディ式ボリュームコントロールは、64ステップです。
このステップは、以下の表のように設定されています。

As we can see from the table above, when the volume control is used beyond 12 o’clock, it will provide the most optimum performance.

上記の表からわかるように、ボリュームコントロールは、12時を超えた位置が最高の結果が得られるのです。

Tip: Despite the Stepped Volume Control being extremely good, it is not perfect (nothing is), by going above 12 o’clock, as “less” of the volume control is used, sonics will be more transparent.
ヒント:ステップ式ボリュームコントロールは並外れて優れたものではありますが、完璧というわけではありません(完璧なものなどありませんから)。12時を超えることによって、(ボリュームがコントロールされるステップの幅が小さくなるので)サウンドの透明度が増すのです。

Tip: nano iDSD has nearly 10x the output of a smartphone headphone output, so headphones (mainly IEMs) designed for smartphone use may be too sensitive for the nano iDSD.
ヒント:nano iDSDは、スマートフォンのヘッドフォン出力に比べると、ほぼ10倍の出力パワーを持っていますので、スマートフォン用に設計されたヘッドフォン(特に IEM=イン・イヤー・モニター)は、nano iDSDで使うと感度が高すぎるということが起こる可能性があります。


If you cannot use the volume beyond 10 o’clock, then your headphone is too sensitive for the nano iDSD.  An inline attenuator (say -12dB, between the headphone and the nano iDSD) is required to match the headphone to the nano iDSD.
もしも10時を超えてボリュームを設定することができないのなら、ご使用のヘッドフォンの感度が、nano iDSDで使うには高すぎるということになります。こういったヘッドフォンをnano iDSDに合わせるには、(たとえば、ヘッドフォンとnano  iDSD間が-12dB程度になるような)アッテネーターを直結して使うことがが必要となります。

なお、nano iCANについても同じ方式のボリュームが採用されているとのことでした(追記5/12)
以上がiFIオーディオからの公式見解です。

nanoシリーズのボリュームについて The Volume Control explained

お問い合わせを幾つかいただいていたnano iDSDのボリュームについてのiFI本社の公式見解です。(その1 ボリュームの方式について)
The Volume Control explained
1. Two types of volume controls 
There are two types of volume controls in audio equipment: analogue and digital.
●Analogue volume control is usually either a potentiometer or a stepper. The stepper version is usually more expensive.
●Digital volume control is usually built into the DAC chipset itself.

1. ボリュームコントロールの2つのタイプ
オーディオ装置のボリュームコントロールには、2つのタイプがあります:アナログとデジタルです。
●アナログ・ボリュームコントロールは、通常はポテンシオメーターかステッパーで行われます。一般にはステッパーの方が高価です。




●デジタル・ボリュームコントロールは、通常はDACのチップセット本体内に組み込まれます。



2. Pros and Cons
2. メリットとデメリット




Note 1: The sound quality of most decent analogue volume controls is a major step up from digital ones (see Note 2 below).  However, low-quality analogue volume controls can sound worse than a digital one.

Note 2: Every 6dB volume decrease will reduce the resolution by 1-Bit, i.e. 16-Bit audio source will become 15-Bit.  With normal systems, listening at -10dB to -30dB volume is normal.  Hence, with a digital volume control,  CD (16-Bit) suddenly becomes a low-resolution 11-Bit source, even a 24-Bit HD file becomes only 19-Bit
Note 3: The digital volume control is normally built into the DAC chipset at no extra cost. 

※1:ちゃんとしたアナログ・ボリュームコントロールの大半は、デジタル・ボリュームコントロールよりもはるかに良い音質を持っています(下の注2をご参照ください)。しかし、品質の悪いアナログ・ボリュームコントロールは、デジタル・ボリュームコントロールよりも音質が悪くなることがあります。
※2:ボリュームを6dB下げる度に、解像度が1ビット落ちます。ということは、16ビットの音源が15ビットになるということです。通常の再生システムでは、-10dB〜-30dBで音楽を聴くのが普通です。この理由により、デジタル・ボリュームコントロールを採用すると、CD(16ビット)が突然解像度の低い11ビットになってしまいます。24ビットの高密度ファイルでさえも19ビットに落ちてしまうのです。

※3:デジタル・ボリュームコントロールは、通常はDACのチップセット内に組み込まれますが、これには費用はかかりません。

Comments
i. All analogue volume controls exhibit a small amount of channel imbalance at very low volume settings (below 10 o’clock).
ii. An analogue volume control (stepper version) will also have finite steps (24-64 steps) over the whole range.  Hence at very low volume settings (below 10 o’clock), where the steps are larger, one will hear volume change in larger steps.

コメント
i. すべてのアナログ・ボリュームコントロールは、ボリュームがきわめて低い時には(10時より下の場合)、左右チャンネルのバランスがわずかに崩れます。
ii. アナログ・ボリュームコントロール(ステップ方式によるもの)はまた、全域でステップが限られています(24〜64ステップ)。このため、ボリュームがきわめて低い時には(10時より下の場合で、ひとつひとつのステップの幅が他より大きい)、ボリュームの変化が他よりも大きなステップで聞こえます。

If normal listening is performed at 9 o'clock (should be 12 o'clock or beyond), the IEM/headphone is likely to be too sensitive for the iDSD/iCAN.
There are two solutions:
1.   Attenuator – to reduce the line output from the iDSD.
2.   Select an alternative IEM/headphone to match the iDSD.

iDSDやiCANを使用して、通常9時の位置で音楽を聴くということは(本来は12時またはそれ以上の位置で聴くのが望ましいのですが)、IEM(イン・イヤー・モニター)やヘッドフォンの感度が高すぎるということを意味します。
これには、2つの解決法があります。
1. 任意のアッテネーターを使用する:iDSDのライン出力の端子に接続する。
2. iDSDに合ったIEMやヘッドフォンを使う。

2014年3月18日火曜日

Windows用最新ドライバー(nano iDSD、iDAC、iLink)をリリース

Windows用最新ドライバー(nano iDSD、iDAC、iLink)のV2.19.0がリリースされました。



以下は前回バージョン(V.2.15.0)との相違点です。
1. Windows8.1をサポート
2. コントロールパネルの実装

新コントロールパネル(スタートボタンからアクセスできます)

3.自動で旧バージョンのドライバーをアンインストール
4.ストリームフォーマット時においてDSDフォーマットがスウィッチングされていなかった点を修正
5.32Bit再生時にWASAPIが正常に働かなかった点を修正

USB3.0&USB2.0:技術関係情報とアップデート

新しいMac(2013年後期モデル)を含む)USB3.0の接続問題についてiFI本社からの公式見解が発表されましたので、全訳付きで掲載いたします。

USB 3.0 and USB 2.0 - technical background and update
USB3.0&USB2.0:技術関係情報とアップデート

We have received some emails asking for technical support for a some new PCs/newest Macs with USB 3.0 ports and their iDSD.
USB3.0を装備した新しいPC及び最新のMacをnano iDSDと接続する際のテクニカルサポートについて、いくつかのe-mailをいただいています。

Some background information to shed light on this subject:
- USB docking ports are not all identical as they utilise different chipsets from different manufacturers.
- USB audio modules have a hardware+software to 'communicate' with these USB ports.
この問題に光を当てる情報:
- USBドッキングポートは、すべてが同じというわけではありません。異なったメーカーの異なったチップセットが使われています。
- これらのUSBポートと通信するためのUSBオーディオモジュールは、ハードウェア+ソフトウェアで構成されています。

Computer audio is dynamic so we can only test to the very latest and if a new change comes along, we like any other manufacturer, will follow-suit. We try our absolute utmost to stay abreast but new changes/updates always occur. This is the ever-changing nature of computer audio.
コンピューターオーディオは常に進化していますから、私たちにできるのは、最新のものをテストし、もしも新しいものが発売されたら、他のメーカーと同じように、それに追いつき、適合させることだけです。私たちはこの進歩に遅れずについていくために最大限の努力をしていますが、新たな変化やアップデートは常に生まれます。常に変化するというのが、コンピューターオーディオの特質なのです。

We have shipped a sizeable number of iDSDs. The Firmware in all of them is based upon the official USB Specifications. We have tested this with a number of computers, but it is impossible for us to test with all models and makes. Thus far, the USB 3.0 issue is comparably infrequent - for some of the newest Windows PCs and the latest MBPs.
私たちはこれまでにかなりの数のnano iDSDを出荷してきました。nano iDSD内部に組み込まれたファームウェアは、USBフォーラムの公式な仕様に基づいて作成されています。私たちはこれを数多くのコンピューターでテストしましたが、すべてのモデル、すべてのメーカーをテストするのは不可能です。今までは、最新のWindows PCとMac Book Proでも、USB3.0の問題は比較的起こりませんでした。

We have identified firmware changes that should overcome all currently documented USB 3.0 issues, however the changes needed are far-reaching (almost a complete software re-write). iFi's in-house programming does take time but rest assured that we are pulling out all the stops to make the solution available as soon as possible.
私たちは、現在報告されているUSB3.0の問題をすべて解決できるはずのファームウェアの変更を確認していますが、必要な変更は広範囲に及びます(ソフトウェアをすっかり書き直すのに近い状態です)。私たちの社内のプログラミング作業には時間がかかりますが、できるだけ早期に解決できるように、あらゆる努力を行っています。

The Intel (and others) USB 3.0 implementations have well-documented, substantial issues, which depend also on implementation in the Computer and driver software. Hence, this is why the USB3.0 issue works with some USB3.0 ports and not with others. These issues with USB 3.0 for both Windows and Mac are widely-discussed, but usually relate to external HDDs or USB memory sticks.
Intel(及び他社の)USB3.0の動作については情報がたっぷりあります。相当な問題があるのですが、これはまたコンピューターとドライブソフトウェアにも左右されるのです。
USB3.0の問題が、ある機種のUSB3.0ポートには当てはまり、他のUSB3.0ポートには当てはまらないという事象が生まれるのは、これが理由です。
WindowsとMac両方に見られるこれらのUSB3.0の問題は、広く議論されてはいますが、通常は外付けハードディスクドライブとUSBメモリースティックに関連したものが主です。

The underlying issues are with hardware (USB controller chips) and Software drivers not conforming to the official USB 3.0 Specification.
根本的な問題は、USB3.0の公式な仕様に適合していないハードウェア(USBコントローラーチップ)とソフトウェアドライバーにあります。

iFi workaround for new Windows Computers with USB 3.0 issue (Please click on this link and follow the instructions):
私たちはUSB3.0の問題を抱えたWindows PCを検証しています(以下のリンクをクリックして、指示に従ってください)。
http://social.technet.microsoft.com/Forums/windows/en-US/e43de6f5-4ad5-4f09-8021-92aefb00480d/windows-8-usb-30-problems?forum=w8itproinstall

You can see a screenshot of an example for setting this in the BIOS here:
これをBIOSにセッティングする例のスクリーンショットがここにあります。
http://i.stack.imgur.com/Zao1A.jpg

Please refer to your computer's manual for details how to access the BIOS setting screen.
BIOSの設定画面にアクセスするには、お持ちのコンピューターの使用説明書を参照してください。

We are also examining workarounds for the newest Macs.
最新のMacについても検証中です。

If you are one of the few whose USB3.0 port is not okay, iFi really does appreciate your endeavours.
USB3.0ポートがうまく作動しない例は数少ないのですが、それに該当される方はぜひ上記を試してみてください。

Anyone who cannot use the iDSD with their standard computer setup and does not wish to wait for the update, should discuss a return with their retailer - we formally apologise for any inconvenience caused.
iDSDを標準的なコンピューター設定で使用することができず、アップデートを待つ余裕のない方は、購入された販売店に返品をご検討ください。ご不便をおかけしたことを、心よりお詫びいたします。

Last but not least, those who wish to be notified to test the new firmware as soon as it is ready, drop us a PM or email: tech@ifi-audio.com
大事なお知らせを忘れるところでした。新しいファームウェアの検証の準備ができ次第知らせてほしいという方は、以下にご登録ください。
tech@ifi-audio.com

We thank you in advance
ありがとうございました。

iFI Audio UK


2014年2月27日木曜日

nano iDSDの入荷状況

二次ロットもまたたく間に完売となるなど大変好評をいただいているnano iDSDですが、世界中からオーダーが殺到しているため、生産ラインの稼働が追いつかず大変おまたせする結果となり申し訳ない次第です。

ようやく今週末、三次ロット第一便が生産工場から日本に向けてフライトされる運びとなり、来週末までにはお取引店様にお届けできると思われます。ただし、この第一便も現在オーダーいただいている数にはとうてい満たず、3月8日に第二便、3月15日に第三便がフライトされ、ようやく現在のご注文が解消される見込みです。
ご予約のお客様には引き続きご迷惑をお掛けしますが、少しでも多くの商品を確保するため鋭意努力しておりますので、悪しからずご了承頂きますようお願い致します。

なお、現在品薄になっているnano iCANGEMINIケーブル(0.7m)、iUSBPowerについても3月中旬には入荷する予定です。悪しからずご了承下さい。

2014年2月21日金曜日

高橋健太郎のOTO-TOY-LAB/高橋敦のオーディオ絶対領域

早くからハイレゾ&DSD配信に取り組んでいる音楽配信サイトOTOTOYのプロデューサー高橋健太郎さんのオーディオ連載「OTO-TOY-LAB」の第一回目にnano iDSD、およびiLinkが取り上げられています。


高橋健太郎のOTO-TOY-LAB――ハイレゾ/PCオーディオ研究室―― 【第1回】iFI-Audio「nano iDSD」



またPhile-webの連載「高橋敦のオーディオ絶対領域」第75回にもnano iDSDが取り上げられています。