フルバランスヘッドフォンアンプ兼プリアンプ
iCAN Phantom
標準的な小売価格:660,000円(税込)
2023年11月15日 受注販売開始
iFiのフラッグシップ・アナログ・ヘッドフォン・アンプの新製品が、超高感度のIEM(インイヤー・モニター)から、電圧を必要とするするエレクトロスタティック・ヘッドフォンに至るまで、あらゆるヘッドフォンにレファレンスクオリティのサウンドを提供します。
過去7年の間発売された、Pro iCANと、その後継モデルのPro iCAN Signatureは、iFi製品の頂点を代表する製品として、この惑星でも最高のヘッドフォン・アンプであると広く認められました。なぜなら、本体には有用な万能性、優れた回路設計、きわめて魅力的なパフォーマンスが混然一体となっていたからです。
しかし、2023年に、さらに有能なヘッドフォン・アンプのチャンピオンによって、「Pro」の王冠が奪われることになります — 新製品「iCAN Phantom」の登場です。
iFiのこの新たなレファレンス・クラスのアナログ・ヘッドフォン・アンプは、Pro iCANをもとに、その回路のあらゆる要素を洗練、強化させてパフォーマンスをさらに高め、以前は別の製品だったエレクトロスタティック・ヘッドフォン用のPro iESLをひとつに統合し、さらには進化したユーザー・インターフェースとネットワーク接続によるコントロール・システムを新たに加えています。
その結果、真にフラッグシップの地位にふさわしいヘッドフォン・アンプが誕生したのです。模範的な製造品質、洗練されたテクノロジー、無比のスペック、著しい万能性を備え、優れた技術による駆動能力によって、あらゆるヘッドフォンの潜在能力をすべて引き出すことができるのです。超高感度なIEMから、最高品質のダイナミックやプレーナー、平面駆動型ヘッドフォンから、さらにはパワーを最高に消費するエレクトロスタティック型に至るまで、iCAN Phantomは真に並外れたヘッドフォン体験を生み出します — リスナーの要求に見事に合わせて作られているのです。
iCAN Phantomのもうひとつの強みとなっているのが、ハイエンドのハイファイ・プリアンプとしての用途です。これによって、ヘッドフォンとスピーカーがひとつのハイ・パフォーマンスのオーディオ・システムの中に結び付けられます。お気に入りのヘッドフォンを使用して陶酔するようなプライベートな音楽空間に浸ったり、スピーカーを使って部屋を輝かしいサウンドで満たしたり、iCAN Phantomは、音質にとてもうるさい音楽愛好家にとっても、家庭のオーディオ・システムの中心に位置できるように、すばらしい技術の裏付けがあるのです。
iCAN
Phantomの製品特長
・世界をリードするハイファイ・ヘッドフォン周辺機器メーカーiFi Audioの究極のアナログ・ヘッドフォンアンプ
・ハイエンドのステレオ・プリアンプとしても使用できるので、パワーアンプやスピーカーに接続可能
・PureWave PROのフル・ディファレンシャル・バランス回路設計が超低歪みを実現。
・ソリッドステート・ステージとGE5670真空管ステージをリアルタイムで切り替えることのできる、2つのディスクリート入力ステージ
・15,000mWの驚異のパワーが、最高に負荷の高いヘッドフォンも易々とドライブ。
・アンバランス・モードで14V、バランス・モードで27V
・ゲインと負荷インピーダンスをそれぞれ調節可能。さらに出力アッテネーターiEMatchにより、あらゆるヘッドフォンとIEM(インイヤーモニター)のインピーダンスに適合
・静電型ヘッドフォン用の6つの電圧設定を装備したPro iESLエナジャイザー・テクノロジーを搭載
・キャパシティブ・バッテリー電源が、家庭用電源に起因するノイズをオーディオ信号から除去
・ヘッドフォン用とスピーカー用のマルチレベルのXSpace及びXBassアナログ処理モード
・模範的で上質なつくり、幅広い接続性、情報量の豊かなTFTカラー液晶を採用
・iFiが誇るフラッグシップ電源、iPower Elite、アルミニウム製リモコン付属
名前に何が込められているのか?
20世紀初期に新たに開発されたロールスロイスをマスコミが「シルバー・ゴースト」と呼んで以来、この有名な自動車メーカーは、超自然的であるように見えるほど並外れた特質を想起させる幽霊に由来する名前を各モデルにつけてきました。ロールスロイスのシリーズには、1925年から「Phantom(ファントム)」というモデルが存在していますが、それは常にその卓越した技術力の高さ、他から抜きん出た外観、不気味なほどなめらかで静かな乗り心地によって、崇拝されてきました。
iFiが新たなフラッグシップ・ヘッドフォン・アンプに反映したいと思っているのは、こういった品質の高さであり、だからこそ私たちはこの製品をヘッドフォン・アンプのロールスロイスという意味を込めてiCAN Phantomと名付けたのです。それは、並外れた超低ノイズのオーディオ・パフォーマンスを生み出す優れた技術力を例証するものであり、そこに、他とは明らかに異なるブラックとシルバーの2段式の仕上げの外観デザインが組み合わされています。そのブラックとシルバーの配色は、何十年にもわたってロールスロイスの数多くのクルマを飾ってきた、2色の方式を反映しているのです。
フラッグシップを作り上げる
フラッグシップのオーディオ・コンポーネントというのは、並外れた基準で組み立てられ、仕上げられなければなりませんが、iCAN Phantomは間違いなくその要件を満たしています。他のどんなヘッドフォン・アンプにも似ておらず、そのデザインは2つのユニットがあるという外観を思わせ、実は単一のユニットが2段式になっています。その高さは、2段式の回路設計によってフルに活用されています。アルミニウムで頑丈に組み立てられた筐体は、256×120×185mm(幅×高さ×奥行き)の寸法で、下段は前面と背面にケーブルの接続端子を備え、上段は感触の良いコントロール装置とカラフルなOLEDディスプレイを備えています。
iCAN
Phantomの天板には、平らなスモークガラスのパネルが組み込まれており、これを通してアンプ内部の回路が(赤い光が灯ったオーディオ用真空管も)見えるようになっています。円形のアルミニウムの通気孔がガラスから突き出ており、これによって内部の回路のオーバーヒートを防ぐことができるようになっています。
巧妙な設計は他にも豊富にあります。たとえば、使用していない時には、前面と背面のパネルのソケットが、磁石でくっつくアルミニムのパネルで端子面を隠せるようになっているのです(このパネルは、エレクトロスタティック・バイアス電圧設定用のカードを収納できるようにもなっているのですが、これについては後述します)。iCAN Phantomには、魅力的で使いやすいアルミニウム製のリモート・コントロールも付属していますが、その美しさを見ると、多くのオーディオ製品に付属しているリモコンは、恥ずかしくなってしまうのではないでしょうか。
真空管かそれともソリッドステートか — 2つの入力ステージの話
この製品の前に発売されたPro iCANと同じように、iCAN Phantomはいくつかの独自の特徴を贅沢に備えており、これが他のヘッドフォン・アンプとの差別化を実現しています。そういった機能のひとつが、2つの入力ステージを装備している点です。ひとつは真空管ベース、もうひとつはソリッドステートで、これによってユーザーはこれら2つをリアルタイムで切り替えることができるのです。これらの入力ステージは、完全に切り離されて独立しているので、信号経路が複雑になる(たとえば、ひとつの回路の中で真空管のスイッチを入れたり切ったりする)ようなことはなく、信号を最短で直接伝送することで最高の純度を保つことができます。
フル・ディスクリートA級ソリッドステート入力ステージはJ-FETを使用し、真空管のみによるA級回路は、手作業で選定してコンピューターでマッチングしたGeneral Electric 5670真空管(6922のプレミアム型)を使用しています。この真空管ステージでは、2つのモードを選択することができます — 「Tube」と「Tube+」です。「Tube+」の方は、全体のループゲインを最小限におこなうことでネガティブ・フィードバックが最小になり、真空管の自然な高調波とトランジェント・パフォーマンスのトレードオフを選択することが可能になります。実質的に、ひとつの筐体に3つのアンプが収納されているようなもので、それぞれが異なったサウンドを提供してくれるということです。
真空管とソリッドステートのサウンドの違いを、リアルタイムで比較できるのは確かに楽しいことですが、これら2つの入力ステージを個別に搭載しているのは、ただのまやかしなどでは決してありません。ソース機器が様々で、音楽スタイルが多様で、利用できるヘッドフォンやスピーカーのタイプが豊富にあるということは、これらの回路のそれぞれが独自の存在理由を持ち、時によっては選ばれ方も異なる可能性があるということです。たとえば、ソリッドステート・ステージは軽快さと直接感を実現し、真空管モードはなめらかさと自由に呼吸するようなダイナミックな特質を実現してくれます。そして、「Tube+」は真空管の音の影響を強調して、たとえばアコースティックな音楽スタイルやヴォーカル・スタイルに合うような、魅力的でロマンティックな温かさを生み出すのです。
搭載されているGE5670真空管は、10万時間の寿命を持っています。それを取り替えることになった場合にも、iCAN Phantomのガラス天板は簡単に取り外すことができ、交換が容易になります。
PureWavePRO
— レファレンス・クラスのフル・バランス回路設計が最高に純粋なサウンドを生み出す
バランス回路設計は、長年にわたって、ハイエンド・アンプ設計において優れたオーディオ性能を生み出すための正しい道筋となっています。しかし、この「バランス」という単語は様々な形で使われ、常に同じものを意味するとは限りません。iCAN Phantomは、バランス回路設計を究極の形で使っています — 入力から出力までフル・ディファレンシャルになっており、これが信号経路におけるノイズとクロストークを最小に抑え、究極の純粋なサウンドを実現するのです。
基本的に、「フル・ディファレンシャル」回路設計 — あるいはiFiの呼び方によれば「トゥルー・ディファレンシャル・バランス」 — は、各チャンネル(左と右)が回路設計中で完全に切り離されていることを意味し、これらのチャンネルのそれぞれが、同レベルではあるが位相が正反対(+と−)の2つの個別の信号を持っているということです。これを実現するには、個別のアンプ回路が必要になります。左チャンネルに2つ、右チャンネルに2つ — これは、シングルエンド回路設計よりもずっとコストがかかり、複雑になりますが、得られるサウンドは莫大な価値があります。
iCAN Phantomの「トゥルー・ディファレンシャル・バランス」回路は、6つのデッキでボリューム・コントロールと組み合わせています — 各チャンネル(+と−)に2デッキが使用され、残りの2デッキはボリューム・コントロールの動作をモニターするのに使用されます。モーター駆動されるボリューム・コントロール・ポテンショメーターは、日本のALPS電気(現アルプスアルパイン)特製で、並外れた品質を持っています。
ボリューム・コントロールの両側(+と−)と増幅回路の両側(+と−)が「差動」するので、実質的にはそれらはシングル・ステージになります。したがって、回路は入念に作り込まれていても、ヘッドフォン・アンプとしては可能な限り最高にシンプルな設計にまで「煮詰められて」いるです。
iFiは長年にわたってバランス回路を支持しており、現行の各種アンプの多くの、どの価格帯においても、バランス回路の原理を取り入れています。2020年からは、iFiの最先端のバランス回路コンセプトはすべて「PureWave」と名付けており、並外れたリニアリティと微小なほどの低ノイズと低歪みによって達成することのできた純粋なサウンドを意味するようになっています。iCAN Phantomの「トゥルー・ディファレンシャル・バランス」回路設計は、最高品質の電子部品を使っており、この原理の究極を表現としています — だからこそiFiは、それを「PureWave
PRO」と呼んでいるのです。
iESLテクノロジー — エレクトロスタティック・ヘッドフォンのために、そしてさらに…
大半のヘッドフォンは、ダイナミック型ドライバー(あるいはムーヴィング・コイル型ドライバー)を使ってサウンドを生み出します。プレーナー型のマグネティック・ダイアフラムを使っているものも少数あり、これは形状も動作も異なっているのですが、それでも、動きを生み出すのに磁場を使っている点は同じです。ところが、ヘッドフォン・シーンのハイエンドの領域には、珍しくはあってもすばらしいサウンドを生み出すドライバーのタイプがあります。それはエレクトロスタティック型ヘッドフォンです。これらのヘッドフォンは、帯電した薄い振動板を、2枚の伝導プレートあるいは電極の間に配置した形になっています。ダイナミック・ヘッドフォンやプレーナー・ヘッドフォンは低域のレスポンスが強くなる傾向にありますが、最高品質のエレクトロスタティック設計によるオープンなサウンドステージと魅惑的な高域に勝るものは皆無です。
しかし、多くのヘッドフォン・ユーザーにとって、重要な欠点があります。それは、エレクトロスタティック型ドライバーのインピーダンスが極端に高いので、他のヘッドフォン・タイプよりもオーディオ信号の電圧をはるかに高く上げるために特別なアンプが必要になり、さらに、信号の電流は安全なレベルに落とさなければならないという点です。これを実現するひとつの方法は、エレクトロスタティック「エナジャイザー(エネルギー供給源)」と呼ばれる別のユニットを通常のアンプに追加することです。これが、iFiが以前の世代のProシリーズに用いていたアプローチで、これにはPro iCANヘッドフォン・アンプにPro iESLエナジャイザーを追加するオプションが必要とされたのです。
パワフルなアンプが満足度の高い音楽を生み出す
iCAN
Phantomは並外れてパワフルなヘッドフォン・アンプで、16Ωでバランスアウトからは15,000mW以上、シングルエンドアウトからは5,760mW以上の出力を引き出す能力があります。電圧に関しては、600Ω負荷で27V以上を供給することができます。エレクトロスタティック・ヘッドフォンでは、最大640Vまでの電圧を供給することができます。
iCAN
Phantomのキャパシティブ(容量性)バッテリー電源は、もともとはPro iESLのために開発され、そのハイレベルなパフォーマンスを備えているのですが、今回はそれをさらに強化しています。家庭用電源のスイッチングモードのステップアップ回路に依存するのではなく、DC1000Vの特製フィルム・キャパシターを備えた大型バッテリーが、家庭用電源から充電され、時には追加充電されます。この「バーチャル・バッテリー・パック」が、ACやスイッチング・ノイズのまったくない、純粋なDCを発生させるのです — これは、エレクトロスタティック型ヘッドフォンには理想的な高電圧の供給方法となります。
2つの独立した回路が、エレクトロスタティックのバイアス電圧を生み出します — ひとつは「ノーマル」な230Vのバイアス、もうひとつは500Vから640Vの間で調節可能なバイアスとなり、これによって地球上に存在するあらゆるエレクトロスタティック・ヘッドフォンにぴたりと合わせた電圧を出力することができます。
完璧なサウンドに調整
iCAN Phantomのパフォーマンスをご使用のヘッドフォンや再生している音楽に完璧に合わせる方法は、ソリッドステートと真空管ベースの入力ステージのどちらかを選択することだけにとどまりません。調節可能な様々な設定によって、完璧なパフォーマンスが可能になるのです — その概要を以下に示します。
ダイナミック型及びプレーナー型ヘッドフォンとIEM(インイヤーモニター)用には:
・調節可能なゲイン設定
3つの設定値 — 0dB、9dB、18dB — によって、接続されたヘッドフォンにアンプが完璧に合うようにすることができます。ユニティ・ゲイン(0dB)は、感度の高いヘッドフォンやIEMでノイズを低減するのに有用です。これより高いゲイン設定は、ヘッドフォンのもっとタフな負荷を最大限に生かして、すばらしくダイナミックなヘッドルームを生み出します。
・iEMatch
このiFi特製の回路は、出力を減衰させることで高感度なIEMに合わせ、発生する可能性のあるバックグラウンド・ノイズを除去し、ボリュームの調節範囲を拡張します。この機能は、有効にするか無効にするかを選択でき、3.5mm出力とバランス型4.4mm出力に適用することができます。
・XBassアナログ・プロセッシング
この独自技術は、低域を補正する際に用います。この洗練された回路によって、低域の解像度を維持しながら、しかも中域を汚すことなく、これを実現することができるのです。たとえば、低域が軽めのオープンバックのヘッドフォンで有効です。アーティストが意図したとおりの低域を聞くことができるように、低域を「補正する」のです。iCAN Phantomは、XBassの3つの設定値(10Hz、20Hz、40Hz)を用意しています。この回路はOFFにすることも可能で、信号経路から完全に切り離すことができます。
・XSapceアナログ・プロセッシング
さらにもうひとつの特製アナログ処理モードがXSapceで、これはサウンドステージの幅と奥行きを拡張するように設計されています。iCAN Phantomは、2つのXSpaceマトリックスを装備しています。ひとつはヘッドフォン用、もうひとつはスピーカー用で、これは自動的に切り替わるようになっています。ヘッドフォン用XSpaceは、スピーカーを使用してミキシングされた音楽を聞く時に生じる「頭の中で音楽が鳴っている」という効果を補正し、ヘッドフォンのサウンドステージを広げて、もっと空間感の豊かな、スピーカー的なリスニング体験を実現します。スピーカー用XSpaceは、スピーカーの配置で必然的に規定されるサウンドステージの幅を超え、見かけのサウンドステージの幅を拡張します。ヘッドフォン用、スピーカー用どちらの使用方法のXSpaceにおいても、いくつかの角度に調節することができるので、好みに応じて選択することができます。この回路はOFFにすることも可能で、信号経路から完全に切り離すことができます。
エレクトロスタティック・ヘッドフォン用には:
・カスタム・バイアス電圧カード
エレクトロスタティック・ヘッドフォンのバイアス電圧の要件は様々です。iCAN Phantomは、エレクトロスタティック用に2つの出力を備えています — ひとつは「ノーマル」な230Vのバイアスで、もうひとつは500Vから640Vの間で調節可能なバイアスです。もしも間違って電圧を選んでしまったら、ヘッドフォンが破損する可能性がありますが、こういったことがきわめて起こりにくいようにするために、iFiはアンプから供給される様々なバイアス電圧を指定する複数のデータ・カードを生み出しました。ヘッドフォンの仕様に合ったカードを選んでカード・スロットに差し込むだけです — カードは、500V、540V、580V、600V、620v、640V用を用意しており、それぞれのカードの裏面には、どのヘッドホン・ブランドがその電圧に対応しているかを示す便利なガイドが付いています。
・負荷インピーダンス
インピーダンスのレスポンスは16Ωから96Ωの間で調節可能です。インピーダンスを低く設定するとステップアップが増加し、同じボリユーム設定でも音量が増加します。
・ACターミネーション
この機能によって、バイアス用のチャンネル間の共有ノードのインピーダンスを高く設定したり低く設定したりすることができます。これはパラメーターに複雑な影響を与えるのですが、いちばんはっきりとわかるのは、サウンドステージの幅と奥行きです。
iFi Nexis — ネットワーク接続によってコントロールする
iCAN Phantomは、「iFi Nexis」モジュールを組み込んだ最初の製品です。アプリと組み合わせて、製品をネットワーク接続し、包括的かつ(低費用なのに)大規模に実現できるコントロール・システムを提供します。Nexisが提供する機能は、時とともに成長します。発売時点では、NexisアプリはAndroid機器とiOS機器をiCAN Phantomの「スーパー・リモート・コントロール」として動作するようにして、アンプに装備されている機能や標準的なリモート・コントロールではアクセスできない追加機能を提供します。
このアプリは診断情報を表示することもでき、これによってユーザーはiCAN Phantomの動作状態をリアルタイムでモニターすることが可能になります — たとえば、電圧、真空管の状態や残りの寿命などです。また、家庭のWiFiネットワーク経由で、iCAN Phantomのファームウェアのアップデート・ファイルをダウンロードし、アップデート・ファイルをインストールしたりといったことを「OTA(オーバー・ジ・エア)」で行うことに用いることもできます。
Nexusは、今後iFiの他の機器にも取り込む予定です。iFiのNexus対応機器が増えてアプリの機能が拡張されると、iFiのネットワーク接続された「エコシステム」が発展していくことになります — ひとつのアプリで様々な製品に対応するのです。iFiのお客様のためのコンシエルジュ・サービスといった感じです。これによって、ソフトウェアで動作する機能を追加することが可能になり、それを既存のiFiの機器に送って共有することが可能になるとともに、テクニカル・サービスを直接提供することも、さらにはこのアプリ内でオンライン・ストアを運営する可能性も、見えてくるのです。
あらゆる接続をiFiはカバーします
iCAN Phantomは、バンランス接続端子とシングルエンド接続端子をずらりと装備しています。ヘッドフォン出力端子は前面に、音源用の入力端子とプリアンプ出力端子は背面に配置されています。概要は以下の通りです:
・ライン入力 - バランスXLR(L/R)×1、RCA(L/R)×3
・ヘッドフォン出力 - 3ピン・バランスXLR(L/R)×1、4ピン・バランスXLR×1、4.4mmバランス×1、6.3mm(正相)×1、6.3mm(逆相)×1、3.5mm×1(歪みを50%カットするS-Balancedテクノロジー搭載)
・静電型ヘッドフォン出力 - 5ピン・ノーマル・バイアス×1、5ピン・カスタム・バイアス×1
・プリアンプ出力 - バランスXLR(L/R)×1、RCA(L/R)×1
ゲイン: 0dB、9dB、18dB
周波数特性: 0.5Hz 〜 500kHz(-3dB)
高調波歪率: ソリッドステート;
≦0.0015%(バランス) / ≦0.007%(シングルエンド)
Tube; ≦0.002%(バランス) / ≦0.006%(シングルエンド)
Tube+; ≦0.012%(バランス) / ≦0.2%(シングルエンド)
SN比: >147dB(A)(バランス) / >130dB(A)(シングルエンド)
出力: >15,000mW (@16Ω)(バランス) /
>5,760mW (@16Ω)(シングルエンド)
出力電圧: >27V (@600Ω)(バランス) / >14V
(@600Ω)(シングルエンド)
入力電圧 (iCAN Phantom):DC 12V/4A または 15V/3A
入力電圧(iPower Elite):AC 85 – 265V、50/60Hz
消費電力:< 22W(アイドリング時)、75W(最大)
サイズ:256mm×185mm×120 mm
重量:4.2kg
保証期間: 12ヶ月
標準的な小売価格:660,000円(税込)
JAN:5060738787463
※仕様は予告なく変更になる場合があります
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