2020年10月3日土曜日

ZEN Phono発売のお知らせ


iFiの新しいフォノステージで

ZENが「グルービー」に

ゲイン調節が可能? − イエス。サブソニックフィルターを装備? − イエス。クラス・トップの超低ノイズ・パフォーマンス? −イエス。iFiのZEN Phonoはエントリー・レベルのフォノステージですが、他の製品を超えています。

iFiは、数々の賞に輝くお手頃価格のデスクトップサイズ・オーディオ機器シリーズZENに、ZEN Phonoを加えます。たったの22,000円(税別)で無比のパフォーマンスを実現するフォノステージ(あるいはフォノプリアンプ)です。





フォノステージ設計でのiFiの経歴はなかなかのものです。最近発売されたフラッグシップ・モデルのiPhono3 BLは、iFiの姉妹ブランドAMRのレファレンスクラスのフォノプリアンプPH-77をリードする超低ノイズのパフォーマンスを138,000円(税別)で実現しているのです。ZEN PhonoはiFiが作った初のエントリークラスのフォノステージでありながら、そのサウンド対価格を考えると、ほんとうに注目すべき製品となっています。


LPレコードのリバイバルに飛び込もうとする人にとって、ZEN Phonoは選択したターンテーブルの理想的な伴侶となるでしょう。この価格では無敵の仕様とパフォーマンスを生み出し、MMであろうとMCであろうと、あらゆる種類のフォノカートリッジに対応するのです。

「ステージ」の注目の的

すべてのターンテーブルは、フォノカートリッジから低レベルの出力信号を受け取り、それを「ライン・レベル」に増幅してRIAAイコライゼーションを行うためのフォノステージを必要とします。プリイメインアンプやプリアンプの中にはフォノステージを内蔵したものもありますが、それらの品質は様々で、ターンテーンブルとアンプのライン入力の間の信号経路上に挿入される、巧みに設計された外付けのフォノステージと同じくらい良質であることはめったにありません。

ほんとうにハイパフォーマンスなフォノステージの設計は、簡単ではありません。ひとつには、フォノカートリッジからのデリケートな出力を、ノイズを増幅することなしに増幅するのがむずかしいからです。さらに、カートリッジが異なれば出力も異なるので、多くのフォノステージはある種のカートリッジのタイプにしか適さないということになります。こういった問題が、フォノステージ市場のエントリーレベルを悪化させることになります。どこでも入手できる部品を使った基本回路設計によって、せいぜい何とかなるという程度のパフォーマンスしか生み出せないのです。エントリーレベルだからそれでもいいのですが、費用をかければこれは簡単に乗り越えることができます。

ZEN Phonoは、エントリーレベルのフォノステージで達成できることの限界を押し広げるように設計されています。その回路設計は、この価格ではあり得ないもので、様々な設定が精密に行われているので真にバーサタイルなものになっています。ターンテーブルが何であれ、カートリッジが何であれ、ZEN Phonoは常にクラスをリードするパフォーマンスを引き出すのです。

ZEN Phonoのディスクリート・バランス・デュアルモノ回路設計は、この価格帯では無比のものです。


バランスの問題

ZEN Phonoの回路はバランス型、シンメトリカルなデュアルモノ設計 −つまり複雑でコストがかかるため、通常はハイエンド製品用にしか使われないトポロジーです。バランス回路設計は、ノイズとクロストークを低減させる能力を持っているので、その結果音の明瞭度が増します。有名なハイエンド・オーディオ・エレクトロニクス・エンジニアのジョン・カールが長年にわたって提唱してきた方法です。いくつかのランドマーク的なフォノステージを含む彼のアナログアンプ設計は、1970年代から称賛されているのです。

現在iFiの技術顧問を務めているジョン・カールは、トルステン・レッシュが率いるiFiの社内技術チームと共同して、このようなお手頃価格のフォノステージとしては例外的な品質を持った回路設計を生み出しました。フルバランスの超低ノイズ設計は、このような低価格ではこれまでなかったものなのです。

部品が集まって

ZEN Phonoのバランス回路は、エントリーレベルでは珍しい品質の表面実装部品を含んでいます。たとえば、使用しているキャパシターには、TDK C0Gやムラタのマルチレイヤー・セラミック・タイプ、さらにはパナソニックのECPUポリフェニレン・サルファイド・フィルムを使用したキャパシターが含まれているのです。これらはどれも安価なものではありませんが、クラスをリードするESR(等価直列抵抗)、高い安定性や低歪みといったそれぞれの品質が、音質とRIAAイコライゼーションの精確さに関して大きな効果を与えているのです。

iFiの多くのオーディオ製品と同じように、ZEN Phonoも特注のOVシリーズオペアンプ(ここではOVA2637)を搭載しています。これもまた、超低歪みのおかげで(0.0001%)価格をぶち壊すパフォーマンスに大きく貢献しています。



クリーンなパワー

市場最良のフォノステージは、カートリッジからのオーディオ信号をノイズを加えることなく増幅するために、家庭用電源コンセントに接続する電源アダプターも自ら作り出します。それは電源再生装置と同じようなものです。ZEN Phonoはこの目的を達成していますが、伝統的な方法でやっているのではありません。オシレーションの周期=1.2MHzで電源を生み出すのです。それは、家庭用電源の20000倍です。この回路では、10μFのレイティングを持つフィルターリング・キャパシターは、低域の可聴周波数帯域では200,000μFに相当します。並外れたフィルターリング性能です。この電源回路は、回路基板の専用の「アイランド」に置かれており、オーディオ信号の汚染がないことを確保しています。超クリーンな+/-12V DCなのです。

ZEN Phonoのフロントパネルには「サブソニックフィルター」ボタン、さらには選択したゲイン設定を示すLEDが装備されています。

ハイエンドの特徴、エントリーレベルの価格

フォノカートリッジの技術特性は機種によって大きく異なりますが、22,000円以下のフォノステージで、MMカートリッジに加えてMCカートリッジにも対応したものはほとんどありません。ましてや、どのようなMCカートリッジを使ってもその性能を最大限引き出すためにゲインを調節できるものなど、ますますありません。


ZEN Phonoは例外的な存在で、ゲインを36dB〜72dBの範囲で設定することができます。もっとずっと高価なフォノステージでも印象的な機能です。全部で4つのゲイン設定が可能です。36dB(MM用)、48dB(高出力MC用)、60dB(低出力MC用)、72dB(超低出力MC用)。これによってZEN Phonoは、珍しいMCカートリッジのタイプでも難なく乗り越えることができるのです。



この価格帯でもうひとつ珍しいのが、サブソニックフィルターです。フロントパネルのボタンを押して、反ったレコード盤が発生させる大きなサブソニック信号を処理するのです。iFiのすべてのフォノステージの特徴となるこの専用回路は、録音されている深い低音に影響を与えることなく(反りに対処するフィルターの中には、低音にもフィルターをかけてしまうという副作用が出るものがあります)、望ましくないサブソニック出力を「賢く」抽出してフィルター処理します。

その仕組みはこうです:レコード盤のカッティング用旋盤には、いわゆる「楕円フィルター」が組み込まれています。つまり、LPレコードのローレベルの低音はモノラルなので、スタイラスの水平方向の動きしか生じないということです。したがって、スタイラスがレコードをトレースする際の低域の垂直方向の動きは、レコード盤の反りでしか生じないのです。iFiのサブソニックフィルターは、この垂直面からレコード盤の反りの効果を除去し、ローレベルの低音を減衰させたり群遅延を生じさせたりといった一般的な欠点に陥ることなしに、効率的に仕事を行うのです。

背面にはステレオRCA入出力端子、4.4mmペンタコン・バランス出力端子、アースターミナル、ゲイン選択スイッチが備えられています。

入出力端子


信号の純度を最大に保つために金メッキ処理された通常のステレオRCA入力端子と出力端子に加えて、ZEN Phonoの背面には、これも一般のフォノステージには珍しい端子が装備されています。4.4mmペンタコン・バランス出力端子です。これは、バランス入力端子(ZEN CANアナログ・ヘッドフォン・アンプに装備されているような4.4mmペンタコン入力端子、あるいはアダプター経由のXLR入力端子)を装備したアンプやアクティブスピーカーに接続するのに使うことができます。これによって、ZEN Phonoのバランス回路を最大限に生かすことのできるフルバランス接続が可能になります。この価格帯のフォノステージでバランス出力が可能なものはありません。

アースターミナルも装備しています。ターンテーブルのアース線をここに接続して、耳に聞こえるハム音の原因となるグラウンドループの問題を回避することができます。ZEN Phonoは、設定を変えるスイッチの切り替え方法にさえ透明な音質を確保しています。音質にとって有害な電気ノイズを回避するために、設定を変える時にだけ「目覚める」マイクロコントローラーを使っているのです。

あなたのZENを見つけてください

ZEN Phonoは、iFiのZENシリーズに加わる4番目の製品です。今まで以上にハイパフォーマンスのオーディオに近づくことを可能にする使命を持ったシリーズです。ZEN DAC、ZEN Blue、ZEN CANと同じように、これまで見た(あるいは聞いた)ことのなかった仕様とパフォーマンスのレベルを、この価格で実現しているのです。iFiのZEN Phonoは、2020年9月28日、22,000円で発売です。

ZEN PhonoをZEN CANに接続して、バランス接続によるすばらしいレコードシステムを構築することができます。

接続は4.4mm5極端子を用いて行えます。

トップウイング・ブランドより、最適なケーブルWhite Barrel 4.4mm-4.4mmを同時に発売いたします。(16,000円・税別)



●仕様

  • 入力電圧:DC 5V/0.5A、AC 100 -240V、50/60Hz (同梱の電源アダプターを使用)

●ゲイン設定(スイッチ切り替え):

  • MM: 36dB
  • MC High: 48dB
  • MC Low: 60dB
  • MC V Low: 72dB

●周波数レスポンス:

  • バランス:20Hz - 20kHz (±0.15dB)
  • チャンネル・セパレーション:> 75dB (1kHz all modes)

●最大出力電圧RMS:

  • バランス:13.5V RMS 600R (<1% THD & N)
  • シングルエンド:6.5V RMS 600R (<1% THD & N)

●出力インピーダンス:

  • バランス:200Ω
  • シングルエンド:100Ω

●入力インピーダンス:

  • MM: 47KΩ
  • MC High: 47KΩ
  • MC Low: 1.4KΩ
  • MC V-Low: 110Ω

●SN比:

  • MM (36dB ±1dB):96dB (A-weighted) re 2V BAL/1V S-E
  • MC High(48dB ±1dB):84dB (A-weighted) re 2V BAL/1V S-E
  • MC Low(60dB ±1dB):90dB (A-weighted) re 2V BAL/1V S-E
  • MC V-Low(72dB ±1dB):79dB (A-weighted) re 2V BAL/1V S-E

●EIN (入力換算雑音):

  • 0.6nV | /Hz (unweighted) MC Low/MC V-Low -151dBV (A-weighted)
  • 6.5nV | /Hz (unweighted) MM/MC High -130dBV (A-weighted)

●全高調波歪み率:

  • MM:<-110dB / 0.0003% re 2V BAL/1V S-E
  • MC(低出力):<-80dB / 0.01% re 2V BAL/1V S-E
  • MC(超低出力):<-86dB / 0.005% re 2V BAL/1V S-E

●消費電力:

  • <1.8W

●サイズ&重量:

  • 158×117×35 mm 重量:500g

●保証:

  • 12ヶ月

仕様は予告なく変更になることがあります。

  • バーコード:5060738783359
  • 標準的な小売価格:22,000円(税別)
  • 発売日:9月28日


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