この記事は、micro iDSDの発売を控えたiFIのテクニカル・チームがHead-FIやFaceBookに掲載しているものです。
以下は6月14日の投稿------------
http://www.head-fi.org/t/711217/idsd-micro-crowd-design-software-design-notes-4-no-ordinary-dsd-page-56/765#post_10633478
ミーティー・モンスターはパワーに狂っている!(続き)
E. パワーサプライを悲鳴をあげるほどクリーンにしてほしい!
スイッチングコンバーターの動作周波数は、0.64MHzと1.2MHzです。これは、通常のパワーサプライの10〜20倍の速さです。動作周波数が高いということは、キャパシター(コンデンサー)とインダクターが、通常のACパワーサプライで使われているものの5000〜10000倍小さくてすみ、しかも、それ以上とは言わないまでも、同じくらいの効率を持っているということです。
非常にクリーンなDCパワーをDACとオーディオ回路のアナログステージに供給するために、私たちのパワーサプライはこれらのパワーコンバーターを使うのみならず、それらを“黄金時代”のプロ用真空管オーディオ装置(真空管の血が私たちの血管には深く流れているのです)にとてもよく似たLCフィルターリングと組み合わせています。こうして、ノイズを劇的に減少させているのです。
日本のTDKから取り寄せた特注キャパシターが、完璧なキャパシターに非常に近い性能を発揮するように用いられています。日本のタイヨー製のチョークが用いられ、これもまたほぼ完璧な動作をしており、こうしてどんなノイズも最少になるのです。
TDKのキャパシターは、内部抵抗が非常に低いので、フィルターリングされる前のコンバーターの出力ノイズは、ほんの数ミリボルトにしかすぎません。これにLCフィルターリングを加えることによって、このノイズはさらに70dB(3000倍)カットされるので、DCがセパレートPSU(パワーサプライユニット、電源ユニット)を出る頃には、PCBのノイズは数マイクロボルトにまでカットされています。最高のリニアパワーサプライと同じくらい低いということです(つまり、micro iDSDにはリニアパワーサプライは必要ないということです。すでに第一級のパワーサプライを持っているのですから)。このボルテージは、電解キャパシターのバンクに適用されます。これが、信号のピーク時に70ワット/ミリセカンドのエネルギー蓄積を可能にしてくれるのです。
ヘッドフォンの出力バッファは、このパワーサプライからダイレクトに供給されます。一方、アナログステージとDACのスーパーレギュレーターへのパワーサプライは、もうひとつ別のLCフィルターでさらにフィルターリングされます。これによって、パワーコンバーターからのノイズはさらに低くなります。理論的にはさらに70dB(3000倍)低くなり、現実には、どんな試験装置(自社開発したオーディオプレシジョン2も含めて)をもってしても測定値以下を示すのです。
最終的にできあがったのが、これです。
F. デジタルセクションはどうなのか? 最弱のリンクは勘弁して。
DAC自体はどうかと言えば、私たちはスーパーレギュレーターの層をさらに加えました。このスーパーレギュレーターはデュアルモノ構成(左右チャンネルが別々になっている)で、これ自身のノイズは、上流の非常に静かなDCサプライと合わせても、0.5uV程度です。このDACのアナログステージに適用されるのは、この非常に低いノイズだけなのです(0.5uV、1V以下で-126dB、あるいは1Vよりも200万倍低い!)
これらの超低ノイズ・スーパーレギュレーターを用いた結果、DCAチップのメーカーのデータシートと比べると、測定値に2dBの改善が見られました。ですから私たちは、テキサスインスツルメント社が自社の実験室で開発したバーブラウンDACよりも、さらに良い成績を収めたことになるのです! もう一杯飲む良い口実ができました。
こういったすべてのものが、“ミーティー・モンスター”のあらゆる部分にパワーを送るために、1秒あたり10万回も打つ、ほんとうにミーティーなデュルコアの心臓を作り上げているのです。
そういうわけで、もっとも要求の大きなヘッドフォンを相手にしても、このパワーサプライはそれと取っ組み合い、コントロールすることができ、そしてまたそれらのヘッドフォンをただ歌わせるだけでなく、舞い上がらせることができるのです。
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