Example 2は低音に多少の減衰があります。これは、かなり高価なヘッドフォンでもよく見られる傾向です。このカーブはUS$1500のヘッドフォンのものです。このヘッドフォンはあらゆる点で優秀で、これまでに作られた中でも最高のものなのですが、それでも低音が若干欠けています。悪いとは言わないものの、常にもう少し低音がほしくなってしまいます。
Example 3は多くの小型ヘッドフォンの典型です。低音がはっきりとわかるほど欠落しています。最低域は、少しというレベルではなく、かなりの部分が“行方不明”状態です。こういったヘッドフォンははっきりと低域が欠落して聞こえます。うすっぺらで、ひ弱で、満足を与えてくれません。どうしてもある程度の修正が必要です。
E. パワーサプライを悲鳴をあげるほどクリーンにしてほしい!
スイッチングコンバーターの動作周波数は、0.64MHzと1.2MHzです。これは、通常のパワーサプライの10〜20倍の速さです。動作周波数が高いということは、キャパシター(コンデンサー)とインダクターが、通常のACパワーサプライで使われているものの5000〜10000倍小さくてすみ、しかも、それ以上とは言わないまでも、同じくらいの効率を持っているということです。
A. 哀れな古くさい標準500mA USBポート…
“どんな”DACにもヘッドアンプ(ポータブルにはこだわらない)にも適合した、もっともパワフルなヘッドフォンアンプのひとつを生み出すためには、micro iDSDにふんだんなパワーが必要です。私たちの18ワット/時リチウムポリマーバッテリーは18ワットを1時間、または1.8ワットを10時間供給することができます。これが、ふんだんなパワーです。
B. このようなばかでかいバッテリーだと、再充電するのにとんでもない時間がかかってしまう!
だからこそ私たちは、充電専用のアタッチメントと、現代の多くのコンピューターに装備されているハイパワーUSBポートを感知する特別な回路を、ひとつにまとめたのです。micro iDSDはこれらのポートを感知して、いわゆるBCP-1.2の基準を利用することができ、オーディオを再生することができ、“しかも”コンピューターから、貧弱な500mAではなく、1500mAを引き出すことができるのです。こうして、通常の使用では、音楽を同時に再生しながらも、バッテリーは5時間程度で充電できるのです。
C. ハイパワー出力にはハイボルテージが必要
パワフルなヘッドフォン出力を引き出すためには、パワフルな、ハイボルテージのパワーサプライが必要です。最高で4.2 V程度に制限されたリチウムイオンバッテリーでは、8個のバッテリーを直列で使う(そのためには莫大なスペースと非常に複雑な充電システムが必要になります)か、あるいは1つのバッテリーボルテージを必要なボルテージにステップアップするために何らかの形でパワー変換をすることが必要になります。
D. 正電圧と負電圧の両方が持てるのか?
妥協のないオーディオパフォーマンスのためには、負電圧と正電圧のダブル供給が必須です。それゆえ私たちは、±4.5V@1,000mAから最高で±13.5V@500mAまで調節可能なシンメトリカルなPSU(パワーサプライユニット、電源ユニット)を創り出すために、パワーコンバーターを使っているのです。
録音というのは、多かれ少なかれスピーカーを想定して行われます。定義としては、ヘッドフォンで聴いている時は、“カイリー感覚”(カイリー・ミノグの歌「Can’t Get You Out of My Head(あなたを頭から追い出せない)」のように、頭から音が外に出ていかない状態を感じているということ)を得ているのです。
丁寧に言えば、これは人間の脳をうんざりさせます。“正常”ではないからです。
説明
人間の聴覚は左右の“ミックス”を必要とします。左は左だけ、右は右だけ、というわけではないのです。これを解決するには、デジタル信号処理(DSP=Digital Signal Processing)を使うJRMCなど、数多くの方法があります。