2013年6月2日日曜日

Wings over AmericaハイレゾニューマスターをiUSBPower+Geminiケーブル+iDAC+iCANで聴く

先日、アキバのタワーレコードの店頭に足を踏み入れたら、かかっていたのは、あのWings over America!

そう、例の前々から噂されていたリマスターアルバムの発売日だったわけです。
やべ~、Venus and Mars~Rock Show~Jetの冒頭メドレー三連発なんて、いまだにソラで歌えちゃうよ!


Wings over America Re-master edition

ビートルズをリアルタイムで追っかけた世代は、現年齢となると推定で60歳より上ってことになるんでしょう。今50歳前後だと、ビートルズが活躍していた60年代はまだ小学生、ハナタレのクソガキで、解散後の70年代にようやっと音楽漬けになった世代。

とはいえ、当たり前だけど当時はインターネットなんて影も形もなく、洋楽がかかる番組も数えるほどしかなかった77年リリース当時、鈴木ヒロミツのAMラジオのビートルズヒストリー番組で何週間にもわたって全曲放送してたこと、それをかぶりつくように聴いてたことをいまだに小生は思い出しちゃいます。LPで3枚組だったにもかかわらず、大枚はたいて買って、カセットにダビングしてテープがワカメになるくらい繰り返し聴いたぞ聴いたぞ何百回と。歌詞を覚えちゃうのはもちろん、どこに観客の歓声が上がるか、どこで拍手がおこるかまで完全に覚えてるんですな。ヘビーローテしてたのはそれこそ何十年も前のことなのに。

ポールはこのあともライヴ・アルバムをかなりリリースしているけれど、このアルバムはビートルズ解散後「レッド・ローズ・スピードウェイ」「バンド・オン・ザ・ラン」「ヴィーナス・アンド・マース」「スピード・オブ・サウンド」と大成功したオリジナルアルバムを次々と発表したあとの全米ツアーからのベストテイク集だったわけで、のべ60万人もの動員を記録しただけに会場はどこもスタジアム級、音にも広大な会場でやっていることを感じさせる伸びやかさがあり、会場のざわめきも含め、今聴いてもオーディオ素材としての面白さが尽きません。それに今回のマスタリング! 89年に一度CD化されているので、マスタリングは今回で2度目ということになるわけですが、旧マスタリングと比べると時間もお金もハンパなく投入されてるであろうことが、ちょっと聴いただけでもすぐにわかるはずです。下手すりゃニューアルバム制作のときと同じくらい費用もかかってるんでしょうな。

24Bit/96KHzハイレゾ配信もHDTracksでスタートしています。


ウイングス・オーヴァー・アメリカ



分離、解像度、音圧、生々しさ、厚み、音場の拡がり、音の切れ味・・・どの要素も以前のCD化を大きく上回ろうというマスタリング・エンジニアの強い意志が感じられます。これはひょっとすると当時のアナログマルチトラックの状態にまで立ち返って、ミックスから再検討しているかもしれませんね。ポール自身のベースから感じられる低音の躍動感や観客の歓声などを聴いてもそのくらい鮮度が落ちていない。イコライジングも相当に検討されていて位相がおかしくなるような安易な処理は行われていません。

こりゃ相当波形も変わっているんだろうな、と思って、前のマスタリングのCDが手元にもあったんで、冒頭の3曲メドレーをDAWに読み込んで比較。




上が24/96の新しいマスタリング(2013)、下が旧マスタリングのCD(1989)です。
意外だったのは音圧調整。ピークから-3db余裕をもたせる(16Bitで約1Bit相当)思想でマスタリングされています。初CD化の頃ならともかく、今回のマスタリングでもそれが踏襲されているのにはちょっと驚きました。むしろ新しいほうが波形上控えめなくらいに見えます。今どきの音圧競争時代に、こういうリマスターはあまり見かけなくなって、もっとピークギリギリのパッツンパッツンにするのが普通です。まあ24Bitと16Bit素材を比較してるわけだから、そこでもいろいろと波形形状の差は出てくるし、調整してピークをキレイに-3db付近でそろえているのはむしろ新しいほうなので、こっちもノンリミッターというわけではなさそう。聴感上は前述したとおりこの波形の見た目の違いよりはるかに差があって、まったく別物と言い切っていいと思います。

さて、この二種類をiUSBPower→GeminiケーブルiDACiCANというiFI製品のラインナップで聴くとどうなるか? 再生にはWindows8上で動くFoobar2000、ヘッドフォンにはBeyer DT990 PROを使ってみましたが、どっちを聴いても大モトのマスターが最後期のアナログなんだとわかる音なのは、iFI製品全般の特徴ですね。小さいながら、超高級機並みの低ジッター、低ノイズが実現できるiFI製品はアナログ最後期の音源であるこのライヴとやはり相性がいいようです。またこの音源、昨今のヘッドフォンを意識したセンター寄りの音像設定ではなく、スピーカー再生を意識した振り分けがなされています。具体的にはジミー・マッカロクのギターがかなりL寄り、デニー・レインのギターが逆にかなりR寄りなので、そのままヘッドフォンで聴くと不自然に感じるかもしれません。iCANの3Dホログラフィック機能は、こうしたスピーカー再生時の自然なクロスフェードを音質を損なうDSP回路を使わずアナログ回路で再現するものなので、この音源に限らず、初期ビートルズのピンポンステレオなどには積極的に活用してみてもいいかもしれません。



iDACを価格帯の近いDAC(KORG DS-DAC-10)や、より上のクラスであるTEAC UD-501に切り替えてみましたが、総じてこれら国産DACは聴感レンジは広いものの、新しいマスタリングのほうではデジタル的なエッジが効いて、とっ散らかったような印象になるので、旧CDのほうが相性がいいような気もします。

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