2013年6月11日火曜日

ベルリン・フィルのデジタル・コンサート・ホール

イギリスの作曲家ベンジャミン・ブリテンの生誕100年は、ワーグナーとヴェルディほどではないにしろ、やはり本場ヨーロッパではさまざまな催しが行われているようで、6月15日の土曜日に行われる、ベルリン・フィルのコンサートでも、大作「戦争レクイエム」が取り上げられるようです。

http://p.tl/7Omh


この作品、作曲者自身の指揮、カルショウがプロデュースした1962年の記念碑的な録音があるにも関わらず、他に多くの指揮者による録音が存在するのは、二度も世界大戦を経験した激動の20世紀を生きた演奏家たちをなにかしら駆り立てるものがあるんでしょう。おそらく。


http://www.deccaclassics.com/jp/cat/single?PRODUCT_NR=4757511


2009年には小澤征爾がサイトウ・キネン・フェスティバルでこの曲を取り上げ、CDも発売されて話題を呼びました。


小生は、実はこの曲のとある録音の国内発売CDの制作担当者として、ブックレット編集を手がけたことがあるんですが、国内盤・・・となれば歌詞対訳がつきもの。そのあまりにも難解な歌詞に、翻訳者と頭を抱えてしまいました。ラテン語の死者のためのミサ(レクイエム)の典礼文に第一次大戦で戦死したイギリスの詩人ウィルフレッド・オーエンの詩を作曲者自身が適宜組み合わせて構成されている歌詞は、時に独特な言い回しの皮肉な内容も混じったり、典礼文の内容を平気で否定するようなことを歌っていたりと、生半可な文学知識ではまったく喰らいつけません。過去の大先生の手になる国内盤の訳は明らかに誤訳、文法間違いのオンパレードで参考にもならず四苦八苦・・・・。いやはや、もう思い出したくないですね(笑

サイモン・ラトルは1988年にバーミンガムで一度この作品を録音していますが、今回の中継はそれから四半世紀を経ています。フルトヴェングラー、カラヤン以来の伝統を受け継ぐベルリン・フィルがラトルの手の内にある作品でどんなコンビネーションでこの名作を聴かせるかが楽しみです。おそらく今年は60回以上この名作が世界中で演奏される予定だそうですが、その中でも、最も注目すべきコンサートになるであろうことに疑問の余地はなさそう。

世界の先陣を切ってインターネット生中継に踏み切ったベルリン・フィルの「デジタル・コンサート・ホール」は通常は有料のサービスですが、今回、イギリスの雑誌Gramophoneのwebへの訪問者に向けて、無料視聴クーポンコードを発行してくれているそうです。当該記事はこちら

PCオーディオは、言うまでもなくハイレゾ音源だけのためのものではありません。PCならではの利点を生かした、地上波テレビでは実現しない今回のようなコンサート生中継を試聴するのも醍醐味のひとつです。

iDACiLinkiUSBPowerGeminiデュアルヘッドUSBケーブルなどiFIのPCオーディオ製品は、もちろん動画視聴の音声再生にも手軽に使っていただけます。

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