2014年5月22日木曜日

nano iDSDの3.5mmヘッドフォン・ジャックの品質について

最近、ご質問が多くなっているnano iDSDの3.5mmヘッドフォン・ジャックについて、iFI-Audio主任エンジニア:トルステン・レッシュより正式な回答がありましたので、原文とともに掲載いたします。


Q. 以下のURLにあるサイトでは「ヘッドホンジャックの接触が甘く、GNDの共通インピーダンスが大きくなっていることにより逆相のクロストークが発生。それにより変わった音が出力される。」とありますが、このヘッドホンジャックの接触不良は部品による不良ではないのですか?



A. It is a fundamental feature of 3.5mm connectors to have a fairly high ground impedance (especially when compared to 6.3 mm connectors).
Due to the way many headphones are constructed this leads to increased crosstalk. We cannot credit blanket claims of "strange sounds", the measured results shown on the blog show > 60dB channel separation with 32 Ohm headphones.
For reference, a Stereo LP pickup has < 30dB channel separation at 1 KHz and much less at high and low frequencies. This does not cause "strange sounds".
We would say that the poor channel separation is a fundamental feature of the 3.5mm connector and not specific to the one we use.
However, we will in future change to a SMD connector of higher quality, it may improve the ground connection with marginal headphone connectors (too small diameter) where the current socket may make poor contact.
Also, we are implementing 6.3mm socket where possible - such as with the micro iDSD.
Feel free to give this explanation to customers that 3.5mm is fundamentally limited.


GRDのインピーダンスが(特に6.3ミリジャックと比べた場合)かなり高めなのが、3.5ミリジャックの特徴なのです。
多くのヘッドフォンがこのように製作されているため、クロストークも増すことになるのです。ブログに示されている測定結果は、32オームのヘッドフォンで>60dBのチャンネルセパレーションなのですから、私たちとしては、「変わった音」というのは全面的には信じがたいことです。
参考までに申し上げますと、ステレオLPレコードは、1kHで<30dBのチャンネルセパレーションで、高域と低域ではもっとセパレーションが低下します。それでも、これで「変わった音」が出るわけではありません。
3.5ミリジャックでチャンネルセパレーションが悪いというのは、それが3.5ミリジャクの基本的特徴であるからであり、iDSDが使用している部品に特有の症状ではないと、申しあげなければなりません。
とはいえ、私たちは将来的には、もっと高品質なSMDコネクターに変更しようと思っていますので、そうすれば、最低レベルのヘッドフォンジャック(直径が小さすぎて接触が悪いため、電流が順調に流れない)とのアース接続が改善される可能性があります。
私たちはまた、可能な機種(たとえばmicro iDSD)には6.3ミリジャックも装備しようと思っています。
3.5ミリジャックは、基本的に性能に限界があるのだと、日本のお客様にお知らせください。

iFI-Audio主任エンジニア:トルステン・レッシュ Thorsten Loesch

0 件のコメント:

コメントを投稿