2014年2月19日水曜日

iFi iPhono − 4ステップ接続&設定ガイド(ステップ4:イコライザーカーブ)

接続と設定に関するご質問が多いフォノイコライザーiPhonoの設定ガイドです。
ステップ4:イコライザーカーブ

1枚1枚のレコードを適正に再生するには、適正なイコライザーカーブを用いなければなりません。これを適正に設定するには、2つのステップが必要です。

●1:RIAA/eRIAA/IEC
(工場出荷時の設定なので、通常はこの設定を変える必要はありません。)


2つのeRIAAマイクロスイッチは「・」(右)の位置になければなりません。2つのIECマイクロスイッチは「-」(左)の位置になければなりません。



明細
説明
eRIAA Default
Enhanced RIAA EQ curve
エンハンストRIAAイコライザーカーブ
Extended High Frequency
高域が拡張されている
IEC
Subsonic filter
サブソニックフィルター
For warped records
反ったレコード用
RIAA
Standard RIAA EQ curve
標準的なRIAAイコライザーカーブ
-
eRIAA + IEC
Enhanced RIAA EQ curve + Subsonic filter
エンハンストRIAAイコライザーカーブ+サブソニックフィルター
Extended High Frequency + For warped records
高域が拡張されている+反ったレコード用



●2: DECCA/RIAA/COLUMBIA
レコードが誕生した当初は、数多くの異なったイコライザーカーブが用いられていましたが、1954年、世界中のレコードレーベルが、すべてのレコードにRIAAイコライザーカーブだけを用いることに合意しました。しかし、すべてのレコードに実際にRIAAイコライザーカーブが用いられるようになったのは、やっと1980年代以降になってからでした(地球規模でただひとつの合意に達し、それをほんの1〜2年の間に実行するのは、容易なことではありませんよね)。

間違ったイコライザーカーブを用いれば、レコードは「正しい」音では響きません。たとえば、1980年以前にリリースされたDG(ドイツグラモフォン)のクラシックレコードは、乾いた、平坦な音に聞こえることがよくありますが、その理由は、それらのレコードがRIAAイコライザーカーブではなく、DECCAイコライザーカーブを用いて製造されたからなのです。


1980年以前にリリースされたレコード

レコードレーベル
iPhonoフロントパネルのイコライザースイッチ


 


COLUMBIA(Up)





RIAA(Middle)







DECCA(Down)


注意:ヨーロッパで発売されたEMIのレコードは、その多くがDECCAイコライザーカーブを用いています。アメリカで発売されたEMIのレコードは、その多くがCOLUMBIAイコライザーカーブを用いています。特に、もともとCOLUMBIA/CBSでプロデュースされ、合併後にEMIレーベルで発売されたレコードはそれに当てはまります。

1980年以降に発売されたレコードは、そのほとんどが標準的なRIAAイコライザーカーブを用いています。

この解説によって、皆様のレコードコレクションがより長い生命を保ち、ひいては皆様がいっそう音楽を楽しむのに寄与できればと願っています。





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